日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」 歴史新書y

網野善彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784862489678
ISBN 10 : 4862489672
フォーマット
出版社
発行年月
2012年06月
日本
追加情報
:
271p 18cm

内容詳細

鎌倉仏教の宗教者たちは、意外にも経済活動と密接な関係にあった。貨幣の価値は、神仏が保証する「無縁」を原理とし、利子は神に捧げる供物でもあった。資本主義の原点に宗教者と神仏の存在を発見した網野史学の名著。

目次 : 序にかえて 絵師の心―一遍と「乞食非人」/ 1 境界(境界に生きる人びと―聖別から賎視へ/ 中世の商業と金融―「資本主義」の源流/ 補論 市の思想)/ 2 聖と賤(中世における聖と賤の関係について/ 中世における悪の意味について)/ 3 音と声(中世の音の世界―鐘・太鼓・音声)/ 4 宗教者(一遍聖絵―過渡期の様相)/ あとがきにかえて 宗教と経済活動の関係

【著者紹介】
網野善彦 : 1928年山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。専攻は日本中世史・日本海民史。2004年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Toska さん

    網野氏の議論は、その後の研究の進展で塗り替えられたり疑義が呈されたりした部分も少なくない。だが、世に与えた刺激という意味ではやはり大きな人だったのだなあ、と。人と神仏との関わりの変化などにおいて、近世ではなく中世こそが日本史のターニングポイントとなった、との指摘は重要。清水克行氏の仕事などにも受け継がれた部分があるのではないか。

  • 白義 さん

    この本を読むと網野善彦のモチーフが掴みやすい、入門に向いた論文集。宗教的聖賎や悪のパワーと結び付いた「無縁」の原理が中世社会でどれほどリアルに生きられ、それが資本主義や都市的自由の源基になったかを、当時の魔術的世界を再構成しながら活写している。そこから浮かび上がる日本は、多様な差異に満ちた、まだ等質でない列島である。網野史学は比較的シンプルな論文集でも、上質な幻想文学を読んでいるような異界体験を味わえる。歴史学に留まらず、広く読まれるのも頷ける思想だ

  • うえ さん

    名著。「南北朝の動乱以後、遊女や非人の地位が決定的に低落したか、なぜ踐視されるようになったか。それはこの動乱を境に天皇、神仏の権威が決定的に低落したことと表裏をなしている…読み書き、計算の能力が庶民にひろがるとか、さまざまな社会的発展を背景にしている」リテラシー向上がむしろ差別をうむ…●一遍を批判する僧侶達が被差別部落(民)を作りだした可能性●13世紀には現銭輸送ではなく手形を送る信用経済が安定していた●「火事によって今まであったものが突然すべてなくなってしまう。そこから生ずる穢れが焼亡穢です」

  • ひつまぶし さん

    贈与に関する本を検索している時に関連書籍として出てきた。タイトルからは贈与との関連は見えなかったが、網野善彦はいつか読み直したいと思っていた。サブタイトルの「資本主義」にも意外性を感じて読んでみた。巷間では資本主義に対抗する原理として贈与が注目されているものの、目眩しみたいな話が多くてイメージが膨らまなかった。しかし、視野に入っているのは本書にあるような、中世において聖と賤が変位する時にせめぎ合っていたものであり、そのようなコスモロジーを我々も生きているのだとすれば、向き合わねばならないものも見えてくる。

  • たぬきち さん

    民衆は米だけを栽培していたという思い込みを否定し、それ以外の作物はもちろん交易や専門技術で生計を立てるなど非常に多様な経済だという指摘は早い段階から日本の市は活気があるものだったと想像できる。 天皇や神仏と結び付いた非農業民が鎌倉後期からその兆しを表し江戸時代には被差別民に固定化した歴史。そこをさらに分析して相対的な天皇の権威失墜と貨幣の流通が関わっているという指摘は面白い。またそこを遡って調査することで差別を解明できるかもしれないと思うと興奮した。歴史を学ぶことは自分を知ることだと再確認させられた

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