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ろうそくの炎がささやく言葉

管啓次郎

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326800520
ISBN 10 : 4326800526
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

言葉はそれ自体としては無力だが、慰めにも、勇気の根源にもなる。ろうそくの小さな炎のもとで朗読して楽しめる詩や短編を集めた、31人の書き手によるアンソロジー。「東日本大震災」復興支援チャリティ書籍。

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あれから、5ヶ月というもの、 ことばに...

投稿日:2011/08/22 (月)

あれから、5ヶ月というもの、 ことばに渇いていた者の前に、ようやく届けられた本作には、 驚きを通り越して眩暈を覚えさせられてしまいました。 たとえば、端無くもエリザベス・マッケンジーとめぐりあってしまった 「僥倖」なる概念が、自らの意味を確認しなおしたうえで、 この未知との遭遇には、やはり、おのれの名が与えられるほかはないと 悟ったときにおぼえたはずの慄きを、 この摯実な本を手に取った全員が共有することになるでしょう。 祈ることで保証されるのが若さなのだということも、 野合とはほど遠い連帯の振る舞いを演じている この本の豪勢きわまりない執筆者たちは 改めてわたし(たち)に教えてくれました(ます)。 復旧をではなく、復興を祈る者にとって必読です。

tonton Luc さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • しいたけ

    帯には「東北にささげる言葉の花束」とある。ろうそくの灯りに揺らめく言葉は、けれども花束とは程遠いと思っていた。人が心に詩を失ったとき、それでも詩人は詩をしぼり出す。灯りの周りの拭えぬ闇。絶望へいざなう圧倒的な虚無。詩人として、人として、誇りをかけて紡いだ言葉の束。灯りの揺れを瞳が追う、生きているという証。灯される暖かさ。ああ、そうか。だから花束なのか。

  • 森の三時

    この本は、東日本大震災の後、「人間のひとりひとりはあまりにも弱いので、私たちは感情をも言葉にして分かち合い、そこから力を汲み上げる工夫をしなくてはなりません。その作業に直接役に立つ本を作ろう。例えば、しずかな夜にろうそくの炎を囲んで、肉声で読まれる言葉をみんなで体験するための本を。」(編者あとがき)という企画からうまれたものです。その呼び掛けに応えた31人の作品群。この本の中からいろいろな言葉が押し寄せてくる。真正面から感情を受け止めようとすると、今の私では漂流しそうになり、全てを読むことができなかった。

  • 空崎紅茶美術館

    言葉で人を救うことはできないかもしれない。空腹が満たされるわけでもない、圧倒的な絶望の中では何の役にも立たない。けど、それだけで救いたいと思う。救われたいと思う。誰かのこころに響くことを願われた言葉たち。蝋燭の炎は弱く、照らせないものの方が多い。一寸先は闇だ。しかし、人がそれを覗くとき、決して闇を見ているわけではない。その向こうの何か、自分の存在よりも大きなものを見ている。

  • ひろみ

    なにもできないけれど、なんでもできる。川が川に戻る最初の日。その光景を思い描きながら、言葉もそんなふうに溢れて流れて届くものだと思った。

  • niaruni

    この本に関連する朗読会に足を運んだ。当事者でもないのに、不覚にも涙があふれた。詩のことばはことばとして発声されたときに、文字とはまた別の、強烈な力を持つのだということをわが身を通じて体感した。詩は力だ。

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