昭和史講義 戦後文化篇 上 ちくま新書

筒井清忠

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480074966
ISBN 10 : 4480074961
フォーマット
出版社
発行年月
2022年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;18

内容詳細

戦後昭和文化とは何だったのか。茫漠として像を結びにくいその全貌を描き出すべく、上下二巻、三八の多様な論点から照射する試み。これまで七冊を刊行してきた筒井清忠編『昭和史講義』シリーズの最終配本となる戦後文化篇。上巻では、思想・文学・芸術を幅広く渉猟しつつ、個々の論点を深く掘り下げ、戦後昭和文化の核心に迫る。知識人や作家の活動、社会の側のさまざまな思想や運動を、第一線の研究者が一般読者に向けてわかりやすく説き明かすこれまでにない昭和文化史入門。

目次 : 丸山眞男と橋川文三―昭和超国家主義論の転換/ 鶴見俊輔―『思想の科学』と転向研究/ 知識人と内閣調査室/ 福田恆存と保守思想/ 復興・成長の経済思想/ 戦後のベストセラー―読書ブームと名作ブーム/ 獅子文六と復興/ 石坂洋次郎―マルクス主義と民俗学の対立を生きる/ 石原慎太郎と太陽族/ 林房雄と三島由紀夫―日本「近代」への糺問者/ 社会派ミステリー―松本清張・水上勉/ 時代小説の再興―五味康祐と柴田錬三郎/ 有吉佐和子―戦後女性作家の肖像/ 小林秀雄―日本の戦後文化の重石/ 大宅壮一と戦後マスコミ/ 岡本太郎の芸術/ 沖縄文化/ 勤労青年の教養文化/ 全共闘運動―課題と遺産

【著者紹介】
筒井清忠 : 1948年生まれ。帝京大学文学部長・大学院文学研究科長。東京財団政策研究所主席研究員。専門は日本近現代史、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    上巻は思想・文学。19の論点を執筆者が分担して記述しているので内容は玉石混交。三浦雅士さんが書かれた石坂洋次郎論が秀逸。石坂さんを柳田國男・折口信夫・宮本常一・網野善彦さんの線上に位置づけ、マルクス主義への対抗とする視点はとても新鮮だった。石坂さんもそうだが、思想分野では丸山眞男先生への対立軸として橋川文三先生や福田恒存さんに焦点を当て、文学では林房雄さんと三島由紀夫さんに注目するという選択を見ると、本書の編集には、戦後民主主義への嫌悪感のような思想的な意図でもあるのかと思えてくるが、穿ちすぎだろうか…。

  • Inzaghico さん

    いわゆる世俗的な作品や作家が、振り返ると文化の一翼を担っていた、というのはよくあることだ。市井の人々への視座やなかなか表に出てこず、書き残されることが少ない風俗などを記している大切さというのは、そのときにはわからない。良くも悪くも時代の先駆けとなり、時代を作っていった石原慎太郎・裕次郎兄弟、沖縄に対する内からの視線と外からの視線の大きな食い違いなど、わたしが気づかされなかった視点を提示された。

  • 掬水 さん

    福田恆存や三島由紀夫、林房雄、石原慎太郎、小林秀雄あたりの反理性のために理性を駆使する一群に、革新一色で語られがちな戦後日本思想史とは別の流れが感じられて面白かったですね。

  • あるまじろの小路 さん

    上下巻あり、上巻では旧来の文字ベースで大衆に影響を与えたものを中心に扱っています。第一番に取り上げられるのが丸山真男なのは多くに人にとって異論はないと思いますが、これに対して橋川文三を配するのがユニークでした。また、主流メディアでは取り上げられることも少ない保守派の論客である福田恆存や小林秀雄についても相当のスペースを割いているのも有り難く思いました。さらに興味深いのはいわゆる「思想家」だけではなく、時代小説や推理小説まで含めた「大衆小説作家」についても何章も割いて時代との関わりを論じていることです。

  • つじー さん

    戦後の思想、文学、芸術の各種論点を平易な内容に興味深く解説している本。あっとなる発見が散りばめられており非常におすすめ。傾斜生産方式が重油輸入のレトリックだった話や石坂洋次郎が左翼的なものに家父長制を見ていた話が面白かった。沖縄文化の項を読むと、自分は本当に沖縄を知らなさすぎると実感する。Twitterをながめているといわゆる本土の人間がつぶやく沖縄に対する解像度の低い己の見方に対する謎の自信がたまに気になるのだけど、その解像度の低い本土の人には自分も含まれていることを顧みる論考である。

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