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種村季弘コレクション 驚異の函 ちくま学芸文庫

種村季弘

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480512321
ISBN 10 : 4480512322
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

怪物の誕生を辿る畢生の名作「怪物の作り方」、ペテン研究の白眉「ケペニックの大尉」等、世界の不思議を追った〈知の怪人〉種村季弘の粋を一冊に。

【著者紹介】
種村季弘 : 1933‐2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルトの世界』(芸術選奨文部大臣賞、斎藤緑雨賞受賞)などがある

諏訪哲史 : 1969年、愛知県生まれ。作家。國學院大學文学部で種村季弘に学ぶ。「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    一時期、種村・澁澤の世界に耽溺した事がある。今はもういないであろう百科全書的な知の世界はとても蠱惑的なものであった。というわけで、その種村の世界を凝縮した一冊。冒頭の吸血鬼から始まり、怪物、自動人形、詐欺師、鏡花とどの頁を開いても著者が得意としたテーマが満載であり、往年のファンとしては顔がにやついてしまう。これらを手掛かりに、異端とされる世界に分け入っていたなあ。箱の中から次から次へと品物を出す手品師よろしく、面白そうなテーマが次々と表れる構成なので、これから著者の世界に入る人が羨ましくなる本でした。

  • Shun

    本書で初読み。ドイツ文学者による博覧強記の論考集。著者のエッセンスを凝集した本書では西洋のフォークロアを始め各地の吸血鬼伝説を追い、翻って日本怪談の特徴についての興味深い考察等。その思考はどこまでも続くようで夢中になって読みました。そして最も興味深く読んだものが「神話の中の発明家」という項目。ギリシャ神話からは鍛冶の神ヘファイストスや職人ダイダロスを挙げ職人と不具の関係性について考察。今まで考えもしなかったものだがフィクションに登場する職人には共通して肉体的欠損があるという点に着目、目から鱗の論考でした。

  • ゆう

    まさに驚異の函。話題だからと適当に買った偶然の出会いが読書の幅を広げてくれた(著者は「落魄の読書人生」で話題の本は買うなと語っている)。「神話の中の発明家」「少女人形フランシーヌ」「K・ケレーニイと迷宮の構想」「文字以前の世界」「偏在する怪物」は特に刺激的だった。神話や古典、哲学の豊かな世界が広がっていた。凄まじい知識に基づいてあちらへ行っては別のところへ、最後はもとの場所に戻ってくるという話し方をしており、ついていくのもやっとだったが、示された新しい扉の先の世界に興味がわいた。まずは古典を読み漁りたい。

  • Porco

    博覧強記と銘打たれてる人には良い印象はあまりない。著書を手に取ってみると結局のところ、たしかに博学ではあるが特定分野には強く博覧強記の4文字に負けていると印象を覚えることが多いからだ。しかし種村季弘は間違いなく名前負けしない博覧強記な人だ。本格的な論考もあれば話し言葉で語られる人生訓もある。全部理解して読めたとは言えないが「精密に読むのが嫌ならざっと読めばいい。深く読みたいなら細部のいろんな知識や背景を知ってないといけない。」とのことなので、また知識を深めてから再チャレンジしたい。

  • ふゆきち

    半分くらいは読んだことがありましたが、今新刊として出ることが嬉しい。やっぱり『ケペニックの大尉』が抜群に面白くて好きです。

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