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「日本」国号の由来と歴史 講談社学術文庫

神野志隆光

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062923927
ISBN 10 : 4062923920
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

はじめは「倭」としてあらわれる。中国の正史では『唐書』で「日本」へと変わり、定着する。『日本書紀』に「日本」はあるが、『古事記』には一例も出てこない。平安時代に盛んに行われた『日本書紀』講書の議論から本居宣長を経て近代まで。「日本」の誕生とその変奏、時代とともに意味を更新していく歴史を、厳密な史料読解により明晰に示した会心の力作―。

目次 : 第1章 「日本」の登場/ 第2章 古代帝国における「日本」/ 第3章 古代中国における「倭」と「日本」/ 第4章 『日本書紀』講書のなかの「日本」/ 第5章 「日本」と「やまと」/ 第6章 「日本」の変奏/ 第7章 「東海姫氏国」ほか/ 第8章 近代における「日本」

【著者紹介】
神野志隆光 : 1946年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、明治大学特任教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は、日本古代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • へくとぱすかる

    「倭」を改めて「日本」になった、とはいうものの、なぜ「日本」だったのか、意外にも「倭」の字を嫌ったからとする説は、字の意味が不明なために成立しないという。ということは、「委」や「矮」などから類推した、悪い意味の字という説が成り立たない。「日本」は紀元前の文献、『山海経』『淮南子』などにみられる地理観に由来するものであるという。さらに中国が認めないと、国名を勝手に変えることはできなかった、ということになると、自分から「日本」に変更したという話も成り立たない。信じていた話が覆されて、難しいが読み応えがあった。

  • ゲオルギオ・ハーン

    なぜ「日本」というのか一度は誰でも考えるし、子供から質問されると困るものの一つだが、それについての歴史的な経緯も含めて解説した一冊。日の上る国ということだが、古代から東アジア外交はなかなか複雑で、自称して済むということでもなく中国からの承認(もともとは倭と認識していたので変更説明が必要)、隣国への通達が必要となる。また、この日本についても確定したわけではなくいろいろな呼称が論争となっている(扶桑や日下、東海姫氏国)ということや他国からの呼称を考えることで当時の世界観的なものも考察していて面白い。

  • Emkay

    東大名誉教授の著者が「日本」の由来を丁寧に解説。倭しか登場せず、日本という称そのものが出てこない『古事記』に新羅・百済を内包した国家感があること。日本という言葉が「日域」「日下」と並んでもともと中国から発生した他称であったものの『日本書紀』では朝鮮半島と区別するように使われていること。隋に対して初めて披露された「日出づる処」は日本国名の起源とは考えにくいこと。「やまと」から「日本」へと発展したのは平安時代ということ。いずれも日本の考古学にありがちな推理満載だが、ハッキリしないことが多いことを含めて面白い。

  • さとうしん

    文庫化を機に再読。「日本」がもともと中華的世界観の中で東の果ての地域を指す語であったのが、倭国の王朝名として採用され、それが国号と化し、時代の経過に従って新たな意味づけが付加されていくさまを描き出す。近年公表された祢軍墓誌の「日本」については、同墓誌中の「風谷」の語と対になっているということで、少なくともこの墓誌の中では国名として使われていないということで納得。しかし日本国号の問題を突き詰めていくと、網野善彦のように、現代もこの国号を使用し続けているのは妥当かという問題に行き着くはずだが…

  • koochann

    「日本」は大宝令で定められ、粟田真人が初めて遣唐使派遣され、(702年)正にその時は唐時代の則天武后によって「日本」が認められたことから日本がまず名乗ったと思っていたが、中国から見て東の国という意味もあり、当に東夷であるという意味かもしれないとは全くの目から鱗だった。確かに日本においては日は国の中から上るのではない。あくまでも中国の視点からだとも言えるのだから。東晋の恵帝の時代(290〜306年)にも日本という文字が見られる、国号としての意味だけではなかった可能性など、新しい知識も多く、驚いた次第。

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