アフリカ眠り病とドイツ植民地主義 熱帯医学による感染症制圧の夢と現実

磯部裕幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622085997
ISBN 10 : 4622085992
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
368p;20

内容詳細

本書は、ドイツ連邦文書館に収蔵されている一次史料から、植民地統治において医学が果たした役割と、第一次世界大戦後のいわゆる「ヴェルサイユ修正主義」との関係を論じる。いまだ眠り病が撲滅されていないという状況を鑑みるとき、そこで描かれる「植民地の過去」は、この問題が単にドイツ史における逸話としては片づけられない広がりをもつことを示している。

目次 : 序章 植民地支配における「幸福な原住民」/ 第1章 ドイツの眠り病対策―植民地版「特有の道」?/ 第2章 東アフリカにおける薬剤治療―「隔離政策」という幻想/ 第3章 ツェツェバエ対策―「代償行為」としての除草作業/ 第4章 トーゴの眠り病対策―現地住民・「首長」・イギリスという「関係性」/ 第5章 トーゴにおける収容所―「正面突破」の薬剤治療/ 第6章 カメルーンという「辺境」―多難な船出/ 第7章 カメルーンと眠り病―「見切り発車」のツケ/ 第8章 戦間期ドイツの眠り病研究―特効薬「ゲルマーニン」をめぐって/ 終章 植民地の過去をめぐる「二重の忘却」

【著者紹介】
磯部裕幸 : 1975年、川崎市生まれ。1999年、東京大学教養学部教養学科卒業。2001年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了、2008年、ドイツ・コンスタンツ大学歴史社会学部博士課程修了(Ph.D)。現在、秀明大学学校教師学部准教授。専門は、ドイツ近現代史・人種主義の歴史・グローバルヒストリー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • BLACK無糖好き さん

    [アフリカ眠り病]:トリパノソーマ病、ツェツェバエを媒介に感染し、嗜眠性の髄膜炎を起こし死に至る。近代医学でも制圧できていない。◇本書は19世紀末から20世紀初頭でのアフリカ大陸におけるドイツの植民地政策を検証し、この病の克服にいかに取り組んだかを明らかにすると共に、「支配と被支配」の問題も浮上させている。第一次世界大戦後に開発した特効薬もヴェルサイユ体制の打破を主張する「植民地修正主義」の流れに巻き込まれていく。植民地の「熱帯医学」と帝国の歴史をシンクロさせ、読む者に独特の視点を提供してくれる。

  • shi5253 さん

    アフリカ睡眠病とヨーロッパ植民地の関係を書いたもの。熱帯医学の勉強会のために読み始めたが、睡眠病の過去の流行状況やその時の現地の様子が学べただけでなく、その背景にある植民地政策と医師・医療の関係について知ることができた。 現在では、熱帯医学は熱帯感染症の克服やグローバルヘルスなどのキーワードで語られそうだが、この時代では植民地政策の一部としてのものだと認識だったというのが大きな発見。 これを読んでいた獣医学の研究者の先生は尊敬しています。 もっと熱帯医学の変遷について勉強したいと思った。

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磯部裕幸

1975年、川崎市生まれ。1999年、東京大学教養学部教養学科卒業。2001年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了、2008年、ドイツ・コンスタンツ大学歴史社会学部博士課程修了(Ph.D)。現在、秀明大学学校教師学部准教授。専門は、ドイツ近現代史・人種主義の歴史・グローバルヒス

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