彼女が花に還るまで 双葉文庫

石野晶

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784575524673
ISBN 10 : 4575524670
フォーマット
出版社
発行年月
2021年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
285p;15

内容詳細

切なくも温かく、そしてなにより美しい、唯一無二の愛を描いた落涙必至の感動作!

大学生の谷村温人は、ある日、同じ大学に通う学生で、どこか花のような儚さを思わせる花守木綿子と出逢う。花見をしたり、ナノハナ畑を見に行ったりと一緒の時間を過ごすうち、徐々に木綿子に惹かれていく温人は、想いを伝えることを決意する。しかし、木綿子は決して人には言うことができないある秘密を抱えていた——。切なくも温かく、そしてなにより美しい、唯一無二の愛を描いた落涙必至の感動作!

【著者紹介】
石野晶著 : 1978年生まれ。岩手県立伊保内高校を卒業後、2007年『パークチルドレン』(石野文香名義)で小学館文庫小説賞を受賞、2010年には『月のさなぎ』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • tenori さん

    『彼女は人よりも、花に近い存在なのだ』タイトルだけで何となく展開が読めてしまう。その善し悪しは置いておくとして、舞台が岩手という事前の情報がなければ読んでいなかっただろうな。とは言え、突き抜けるような一途さだったり、伝承の信仰と覚悟の描写を、勝手に「現代版・遠野物語」と解釈したら単なる悲哀に満ちた純愛系ファンタジー作品を越えて、土地柄ゆえの奥深さも感じとれる。集落を見守るハクモクレンの木と、花守としての家系を継ぐ娘。その娘を愛してしまった者が担わなければならないものとは。作者・石野晶さんの今後に期待。

  • よっち さん

    どこか花のような儚さを思わせる、同じ大学に通う花守木綿子と運命的な出会いを果たした谷村温人。一緒の時間を過ごすうち、徐々に木綿子に惹かれていく青春小説。共に過ごすことが増えて、お互いかけがえのない存在になってゆくのに、なかなか友人から進まない二人の関係。それでも人には言えない秘密を抱える木綿子としっかり向き合い、一緒に生きていくことを決意するからこそ、その後の展開が切なかったですけど、それでも受け継がれ紡がれてゆくものは確かにあって、優しく温かい気持ちに包まれた気持ちになってゆく結末が印象的な物語でした。

  • aki さん

    同郷出身の作者の作品。初読み作家さん。 穏やかに、流れるようなストーリーが後半は一変。 涙が止まらなくなります。様々な想いを背負った愛の形。最後の一文まで泣き続けてしまいました。 前向きで、人に優しい。負の感情がしつこくない登場人物みな、素敵でした。素晴らしい作品。

  • 彩 さん

    感動する作品でした✨タイトルの意味がわかると号泣です。うまれた時から決まっている人生。花守の娘なら誰しも経験する究極の選択。もし私がその選択を迫られたらきっと最初の木絹子と同じ道を進むと思います。しかし、最終的にあの行動をした木絹子に私は凄く優しさと子供への愛情を感じました。私はこの本を読んで、誰でも死ぬのは怖いんだなと再び実感しました。私たちは可哀想くらいですませることでも、本人からしたらすごく重要なことで、すごく悩むことだと感じました。

  • 雪だるま さん

    ひと味違うラブストーリー。普通の大学生カップルに見えるけど、彼女の方はあくまでも友だちと言い張り譲らない。植物が好きで詳しくて、時々不思議な面を見せる木綿子。何か秘密があるのだと薄々判りながら読んでいた。息子を持つ母としては、途中で温人の母親の気持ちになってしまい辛かったけれど、恐らく、2人が惹かれ合い結ばれる事は決められた運命だったのではないでしょうか?色んな草花が沢山出てきて、美しく心が洗われるような、春に読むのに相応しいストーリーだと思いました。

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