Books

饒舌な名画たち 西洋絵画を読み解く11の視点

石沢麻依

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087881172
ISBN 10 : 4087881172
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2025
Japan

Content Description

ティツィアーノ、フェルメール、ボッティチェリ、カラヴァッジョ、ゴヤ、ボス、ベラスケスetc 西洋絵画のポイントを知れば、名画鑑賞はさらに楽しめる。神話、キリスト教、聖母、女神、ファム・ファタル、寓意、魔女、メメント・モリなど、絵の中に散りばめられたヒントとその背景をもとに、美術研究を重ねる芥川賞作家が解説。以下、章タイトル。

第1章 聖母とマグダラのマリアの描かれ方〜キリストの時間の中にいた聖なる人たち
第2章 絵画空間に置かれた「自分」〜寄進者の肖像
第3章 都市風景が見せる街の肖像〜画家たちが記録した都市の姿
第4章 絵の中で主役となるもの〜物語を包む風景
第5章 失われるもの、移ろうものたちの表現者〜舞台装置としての小道具
第6章 害悪の象徴として作られた魔女〜キリスト教的価値観から外れた存在
第7章 古代の女神が見つめる先にあるもの〜理想美と教訓をもたらす多面性
第8章 ファム・ファタル(宿命の女)と呼ばれた女たち 〜愛がもたらす破滅の運命
第9章 絵画の中の夜〜夜がどのように生まれ、どう描かれてきたか
第10章 画家の目としての鏡〜アントニオ・タブッキの短編と奇妙な写真
第11章 カンヴァスをはさんで画家が対話する肖像〜移ろう姿を切り取って

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア

    いつもは静かに佇んでいる絵画なのだが、案外にもかれらは饒舌だったりもする。ただし、彼らの声を聞くためには、ちょっとした秘訣が必要だ。その閉ざされた扉の向こうの世界と私たちとを仲介してくれる天使役を務めてくれるのは、『貝に続く場所にて』で芥川賞を受賞した石沢麻衣さん。彼女は西洋美術史の研究家でもある(むしろ、こちらが本業か)。そんな彼女なので、通常の解説書とは違って物語世界へ誘うように私たちを絵画の世界につれてゆく。そもそも絵画自身が、虚構世界から現実世界へなかばはみ出してこようとしているのだから、⇒

  • きみたけ

    著者は、2021年「貝に続く場所にて」で群像新人文芸賞、芥川賞を受賞した石沢麻依さん。集英社ノンフィクション編集部公式ウェブサイト「よみタイ」の「饒舌な名画たち 西洋絵画を読み解くための11の視点」を加筆修正した一冊。「聖母」「寄進者」「街」「画家」「静物画」「魔女」「女神」「宿命の女」「夜」「鏡」「肖像」の11のテーマ。以前中野京子先生の「異形のものたち」や「西洋奇譚」を読んだことがあり、「悪魔」「魔女」など一風変わった西洋絵画に興味が湧きました。カラー写真や詳細な解説があって面白かったです。

  • Nat

    図書館本。ドイツ在住の著者の体験も織り込まれながら、11の視点から西洋美術を読み解いていく。クラーナハやクリヴェッリなどの私が好きな画家も取り上げられていた。初めて見る絵画も多く、しっとりした語り口も良かった。一昨年行ったアカデミア美術館や昨年行った美術史美術館などを思い出しながら、今年行く予定のプラド美術館もより楽しみになった。

  • hasegawa noboru

    もう二十年の昔になるか、その年の夏のゲント(本書では「ヘント」)の街は寒くて、あわてて共にウールのセーターを買い着込んで歩いたのを覚えています。教会の祭壇画の”犠牲の仔羊”の細密具合に街および教会の雰囲気と相まって感動したことも覚えています。そういう思い出を共有した 連れ合いが末期虫垂癌で逝ったのを看取って2週間が経ちました。その画を二人で観た記憶はいま私一人の中にしかありません。やがて消えてゆくでしょう。緩和ケア病棟へ付き添いで通った一月余の記憶は強烈すぎますが、それもやがては消えゆく。骨灰。死は

  • rinakko

    とてもよかった。著者の透徹した文章に惹かれてやまないので、絵画を巡るこの本も読みたくなった。11の其々の章は、ある絵画へと導かれていく経緯や情景から始まり、絵画の中の物語を潜り抜けて戻ってきたときの現実のふとした揺らぎで締めくくられ、そこだけ小説のような絵画の旅になる。キリスト教や神話に基づく決まり事、聖なるものを「見る」ことの意味。かつて画家は、失われゆくもの、移ろうものを留めることが出来る唯一の表現者だった。美と妖艶さで女性たちが飾り立てられ、その行為の背景を奪われたことについて。など。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items