鉄条網の世界史 角川ソフィア文庫

石弘之

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784044004545
ISBN 10 : 4044004544
フォーマット
出版社
発行年月
2019年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;15

内容詳細

農作物を家畜などから守ることを目的に約160年前に発明された鉄条網は、いつしか人と人とを隔てる強力な暴力兵器へと変貌を遂げた。先住民が押し込められた居留地、アウシュヴィッツ強制収容所、アメリカ‐メキシコの国境―著者は世界中から資料を掘り起こし、現地取材を重ね、人間の外敵排除の心理がこのシンプルな道具とともに顕在化し、爆発的に膨張したことを明らかにする。鉄条網を通して見る、もう一つの近現代史。

目次 : 第1章 西部開拓の主役/ 第2章 土壌破壊と黄塵/ 第3章 塹壕戦の主役/ 第4章 「人種の罪」と憎悪のフェンス/ 第5章 民族対立が生んだ強制収容所/ 第6章 国境を分断する鉄条網/ 第7章 追いつめられる先住民/ 第8章 よみがえった自然

【著者紹介】
石弘之 : 1940年、東京都生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。その後、国連環境計画(UNEP)上級顧問(在バンコク、ナイロビ)、東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授などを歴任。英国ロイヤルソサエティ(RSA)会員。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞

石紀美子 : 東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK(日本放送協会)に入局。科学番組部、社会情報番組部に所属し、その後退社。2000年から03年までボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボの国連機関に勤務、戦後復興プロジェクトに従事して、ボスニアの公共放送局設立を担当。帰国後は、フリーでテレビ番組や映画などを製作。サンフランシスコ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 活字スキー さん

    新聞記者、国連職員、大学教授等の職歴を渡ってきた著者による2013年刊『鉄条網の歴史』を加筆・改題した文庫版。タイトルをより丁寧にするなら『鉄条網に彩られた暴力の歴史』といったところか。鉄条網。それは極めてシンプルかつ低価格、軽量で取り扱いも簡便にして、効果的にその場を「分断」する世紀の発明。それはマニフェスト・デスティニーに沸く西部開拓時代のアメリカで生まれ、またたく間に世界各地、縦横無尽に広がっていった。

  • 4fdo4 さん

    鉄条網を「威圧的」だったり「ダーク」と感じるのは私だけではないはずだ。鉄条網(有刺鉄線)は1874年にアメリカで生産が開始された。当初は西部開拓時代であり、広大な土地で農作物を家畜から守る為に考えられた。木材の不足や金属線だけではバッファローに突破されたりなどの事情があった。この発明が、先住民族の隔離という「人と人の隔離」へ使われ、戦場では防衛線となった。本著の後半のテーマになる国境分断や強制収容所の歴史は、国連勤務経験のある著者の視点と知識が盛り込まれるが、鉄条網本来の歴史からは逸れていく。

  • リキヨシオ さん

    何の変哲のない「トゲ付き鉄線・鉄条網」は開拓時代の米国で誕生!当初は牧場の家畜を囲う目的で発明され、安価で効率的で大量生産可能になったの背景に需要が広がる。鉄条網の普及によりカウボーイの激減…だけにとどまらず、草原などの本来の生態系のも変化をもたらした。鉄条網は戦争にも登場する。敵兵の侵入を防ぐ防御の役割を果たす。強制収容所などでの強制的な人の収容、国境における国と国の分断…農業から軍事や隔離…鉄条網が世界史に及ぼした大きな影響に驚いた。

  • しんこい さん

    子供のころバラ線は痛くておっかないものだったが、まったくその効果が有効で、農場から戦場、収容所、国境といたるところで使われる。ローテクだが、発明品でもあるのだ。鉄条網は狂言回しで、内容は現代史、それもえぐい部分。マフィアとか犯罪組織は出てこないが、使わなかったのか。

  • kawasaki さん

    原著2013、加筆文庫化2019。鉄条網(有刺鉄線)というモノから歴史と現代社会を見ていく。比較的身近にもあるような一つのモノの発明が、社会を変え産業を変え認識を変え環境を変えていく様は、藤原辰史『トラクターの世界史』(2017)と少し似た読み心地。ただ、人間の分断や「排除」の暴力を論じようとする指向が前に出て、鉄条網そのものがあまり語られない部分も多い感。記者や国際機関職員といった経歴を持つ著者(石弘之氏)の経験談も興味深く、アフリカで鉄条網に引っかかった話などは怖さを実感できる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品