基本情報
内容詳細
現代の生殖医療では、人工授精などで人間の卵子を取り扱うことが日常的に行われている。しかし、ここに至るまでには発生学の長い歴史があった。そもそも哺乳類の卵というものが知られるようになったのは、わずか二〇〇年ほど前のこと。その発見者こそが、カール・エルンスト・フォン・ベーア(Karl Ernst von Baer:1792‐1876)であり、近代発生学の始祖と言ってよい人物である。『種の起源』でも、ダーウィンが尊敬をこめて言及している。再生医療や進化発生学の原点を創出したベーアは、現代においてこそ、もっとも注目されるべき科学者の一人である。
目次 : デリンガー教授との出会い/ ロシア生まれのドイツ人/ 子供時代/ 高等学校時代/ ドルパト大学時代/ 大学卒業と遍歴修業の旅/ デリンガー教授をめぐって/ ヴュルツブルク大学―パンダーと発生の研究/ ベルリン大学と帰郷/ ケーニヒスベルク大学―はじめの数年間/ 発生の研究/ 哺乳類の卵の発見/ ブルダッハとの不和と主著の出版/ ケーニヒスベルク大学―ドイツを去るまでの数年間/ ペテルブルク科学アカデミー―ロシアでのベーア/ 晩年および進化論について/ 現代に続くベーアの仕事
【著者紹介】
石川裕二 : 1948年1月9日生まれ。千葉県出身。1971年、東北大学理学部卒業、1977年東北大学大学院理学研究科(博士課程)修了。1985年より琉球大学助教授(医学部解剖学)、1992年より科学技術庁放射線医学総合研究所主任研究官、2001年に国立研究所の独立法人化に伴い独立行政法人放射線医学総合研究所、放射線安全研究センター、チームリーダー。2006年より独立行政法人放射線医学総合研究所、放射線防護研究センター、上席研究員を務め、定年退職後も同研究所の専門業務員、研究協力員を歴任。2012年より2018年まで上智大学理工学部、非常勤講師。専門分野は、神経発生学、神経解剖学、解剖学、放射線生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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