歌集 砂の降る教室 現代短歌クラシックス

石川美南

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784863854062
ISBN 10 : 4863854064
フォーマット
出版社
発行年月
2020年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
157p;19

内容詳細

目次 : 1(砂の降る教室/ 四月/ はるからなつ ほか)/ 2(放課後の蛙―アール・ヌーボー展/ ふるさと/ たしか、その夏 ほか)/ 3(A町商店街/ (なべのふた泥棒に捧ぐ)/ だぶだぶ ほか)

【著者紹介】
石川美南 : 神奈川県横浜市に生まれる。同人誌poolおよび「sai」の他、さまよえる歌人の会、エフーディの会、橋目侑季(写真・活版印刷)とのユニット・山羊の木などで活動中。2003年、第一歌集『砂の降る教室』刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あや さん

    また長らくの積読を経て読み終わった歌集。石川美南さんは「架空線」が良かったので手に取る。本作は、私は短歌はオノマトペ多用懐疑派なので、ちょっとオノマトペが多いのが気になった。でも時々はっとする比喩があるのが良かった。   黄桃色のひかり当たれるピアノからうつかり生えてくる矢野顕子

  • 碧緑(あおみどり) さん

    大好きな歌集がまた増えた。石川さんが高校生から大学生の時に詠んだ短歌を納めた第一歌集。高校生がこんなに語彙力豊富だと、国語の先生はやりにくかっただろうなあ。そして石川さんの物語センス、素晴らしいなあ。「砂の降る教室」は府中に移転する前の東京外国語大学の旧校舎を描いた連作。同じく国立の外国語大学に通った私にはノスタルジーを掻き立てられる短歌が複数あった。そして最後の連作、書店主との触れ合いを「逆の時系列」で描いた「茨海書店店主と出会ふ」は傑作だ。これだけでも読む価値がある。最高。

  • 双海(ふたみ) さん

    著者は神奈川県横浜市生まれ。同人誌poolおよび「sai」の他、さまよえる歌人の会、エフーディの会、橋目侑季(写真・活版印刷)とのユニット・山羊の木などで活動中。第1回塚本邦雄賞(2020年)を受賞した著者の原点、23歳のときに発売された第一歌集『砂の降る教室』を17年ぶりに新装版として刊行。「想はれず想はずそばにゐる午後のやうに静かな鍵盤楽器」「触れられしところに触れてみる夕べ窓に昨日の海は木てゐる」

  • qoop さん

    某書で見た〈隣の柿はよく客食ふと耳にしてぞろぞろと見にゆくなりみんな〉の、まさしく人を食った懐かしみがどんな並びで詠われているのか気になっていた、復刊が嬉しい一冊。みかん色にグレーが混ざったような表紙が歌の印象とよく合っている。/「怒った時カレーを頼むやうな奴」と評されてまたふくれてゐたり/満員の山手線に揺られつつ次の偽名を考へてをり/おじいちゃんの白い碁石を口中に含んでふいに恐ろしくなる/カーテンのレースは冷えて弟がはぷすぶるぐ、とくしゃみする秋/「二、三年寝てゐた方が良いでせう」春ゆるみゆく内科医の声

  • Cell 44 さん

    コミカルな幻想小説の妙味を短歌に落としこんだ、というだけでは恐らく作者の短歌の魅力の一端しか語りきれないのだろう。たとえばSFで「彼は石になった」と書かれればそれは比喩でなく実景としての石であるのとは異なって、作者の短歌では詩語は実景であるとともにどうしても象徴性が介在し物語の手から離れてゆく場でありつつ、一方で一首のみの時点でも物語全体をかすかに予告しているような不穏さがある。この相反するようで、物語と詩が二項対立にならずにねじれて共存しているところがひとつの魅力なのだろう。

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