『こころ』大人になれなかった先生 理想の教室

石原千秋

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622083061
ISBN 10 : 462208306X
フォーマット
発行年月
2005年07月
日本
追加情報
:
19cm,155p

内容詳細

親を超える機会を奪われたことに、「先生」の不幸の始まりがあった…。夏目漱石の「こころ」を詳細に追究。「先生」「K」「私」をめぐって幾重にも仕掛けられた驚くべき謎を読み解く、前代未聞の漱石入門。

【著者紹介】
石原千秋 : 1955年生まれ。早稲田大学教授。専門は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組みを使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、「国語」教育について入試国語の読解を通した問題提起を積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ばりぼー さん

    著者の石原さんは、「文学研究者は小説のテストパイロットのようなもので、小説の可能性を限界まで引き出すのが仕事の一つ」とおっしゃっていますが、「こころ」をこんな解釈で読んでしまうなんて、凄すぎます。書籍の帯(この画像には写ってなくて残念)にある「驚くべき謎が解かれる!前代未聞の漱石入門」という惹句に嘘はありません。「こころ」はミステリーではないし、ネタバレを心配することもないのですが、「真相」については触れないでおきます。↓他の方のレビューにはもろに出てますので、興味のある方は下を読まない方が無難です。

  • べる さん

    『こころ』の読解が深まる学び多き本。眼差しに過度に敏感な日本文化が視線恐怖症を生んだ。両親から人生の指針を受け取れずに内側の自分が不安定な先生は、他人の視線で自分がモノ化するように感じていた。人の言語動作と心は一致しているべきという先生の倫理では複数の自分を持てずに耐え難いこと。大人になる儀式の「親殺し」をKを相手に行おうとして、勝てる恋のゲームに誘い込んだ。物語を語る青年は先生の禁止を破って大人になることによって静と対峙し、現在は子どもがいる様子。大人になれなかった先生によって読者は青年と大人になれる。

  • やっさん さん

    漱石研究者による、一般向け解説書。高校生の頃に読んだ際は先生の裏切り→Kの自殺と捉えていたけど、今回読んで原因はそればかりではないと漠然と思っていたが精度の高い読み取りが面白く、興味深かった。青年と静が結婚した説もあるんですね〜。小説の「ほころび」を堪能するとは、なんと豊かな読書であろうか(著者の場合は研究だが)。現代ならSNS等で粗探し・指摘で欠陥作品扱いだろうなぁ。

  • あなた さん

    先生の外面/内面のアイデンティティのありようから(石原は『明暗』でも同じトーンの論を展開する)、先生による「K殺し」という動機まで導いていく。「立派な」先生が「下劣な」先生になり、テクストは反転する。Kは嫉妬のために死んだのではなく、先生が振り向いてくれず「さびしく」て死んだ。そしてそのさびしさを演出したのが先生。嫉妬というのは、伝えても伝わら/えられない言語的交通事故のありようなのだ。しかも、その「ありよう」が疎外された嫉妬深い私という第三項をバネにしてさらに対象の二人の結びつきを強める。(続

  • 岬 さん

    大人になることは、かつて親を越えることでした。先生が果たせなかった「父親殺し」の問題を追求し、彼らをめぐる謎を読み解いていく。/「静」と「青年」の視点の話が面白かった。どちらも意外に食わせ者だったのだなぁと驚いた。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

石原千秋

1955(昭和30)年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。早稲田大学教育学部教授。専攻は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品