螺旋の手術室 新潮文庫

知念実希人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101210711
ISBN 10 : 4101210713
フォーマット
出版社
発行年月
2017年09月
日本
追加情報
:
464p;16

内容詳細

純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが…。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。

【著者紹介】
知念実希人 : 1978(昭和53)年、沖縄県生れ。東京慈恵会医科大学卒業。2004(平成16)年から医師として勤務。’11年、「レゾン・デートル」で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。’12年、同作を『誰がための刃』と改題し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • zero1 さん

    医師しか書けないミステリー。450ページを超えるが一気読み。教授選出馬予定だった医大の准教授が術中死。引退間近の教授も死に、教授選でのライバルも殺されていた。息子の外科医、裕也が調査を始める。彼には結婚を控えた妹が。謎の「キツネツキ」とは?真相が多重構造になっており、さすがにこの結末は予想できず。読んでいて保険の「逆選択」を思い出した。疎遠になっていた兄妹の人情話は上手く読者を惹きつける。題名の意味はとても重要。ツッコミどころもあるが、前に読んだ「仮面病棟」や「時限病棟」より高く評価したい。

  • 三代目 びあだいまおう さん

    すごい話だった。著者にしか描けない、いや、発想さえできないだろう哀しく切ないストーリー。優秀な医者である父親が簡単なはずの手術を受けて死んだ。同じく医師である息子は医療ミスを疑った。やがて息子は、医大の教授選に纏わる不穏に気付き独自に調べ始める。息子の視点で語られる展開は、正直前半の冗長さに苦戦した。しかし後半になるに従い、予測外の展開が拡がりを見せ、定められし過酷な運命の哀しさと、大きな愛に同情した。病巣を全て取り除かんとする手術室、なるほど『螺旋の手術室』は作品の本質を表す唯一無二のタイトルだ‼️🙇

  • こーた さん

    作家は現役の医師だそうで、オペのシーンなどはたしかにドラマを見るような臨場感がある。リアルなのではない。ドラマのように、である。わたしたちの思い描く医師像、というのがある。それはフィクションの世界の、極端に戯画化された虚像なのだけれど、繰り返し描かれると、だんだんとそちらが本物のようにおもえてくる。そして実際の医師たちも、そう振る舞うのが正しいと考えるようになる。現実がフィクションに飲み込まれていく。本物の医師が描くなら、もっと地味でも現実に引き戻すような、実像のある物語を読みたい、とぼくはおもう。

  • mmts(マミタス) さん

    簡単なストーリー。死ぬほど憎んでいる父が簡単な手術なのに亡くなった。手術した息子は死んだ原因を暴くために奮闘する。詳細なストーリー。舞台は純正医大。教授選に立候補した冴木真也は術中死した。本来、手術自体は簡単なのに死因は不可解だった。手術には冴木真也の息子・冴木裕也が参加した。以降、教授選に立候補したメンバーは殺人事件に巻き込まれる。冴木真也の息子・冴木裕也は真相を究明し謎を解明する。ストーリーのキーパーソン。家族愛。ハンチントン舞踏病。感想。真犯人の意志の強さにビックリ仰天。ハンチントン舞踏病は初見。

  • SJW さん

    「神酒クリニックで乾杯を」シリーズのような医療ミステリーサスペンス。ハラハラドキドキのバイオレンスアクションも多いので活劇好みの方にはお勧め。自分としてはレオやクロが登場する動物死神シリーズの方が好き。知念さんはドクターだけあって詳しい医療現場の記述によりストーリーにリアリティを持たせているが、犯行の動機については現実離れしていて、少し納得がいかない。

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人物・団体紹介

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知念実希人

1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞(本デー

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