少女庭国 ハヤカワ文庫JA

矢部嵩

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784150313821
ISBN 10 : 4150313822
フォーマット
出版社
発行年月
2019年06月
日本
追加情報
:
256p;16

内容詳細

卒業式会場に向かっていた中3の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。隣に続くドアには貼り紙が。“下記の通り卒業試験を実施する。ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n−m=1とせよ”。ドアを開けると同じく寝ていた女生徒が目覚め、やがて人数は13人に。不条理な試験に、彼女たちは…。中3女子は無限に目覚め、中3女子は無限に増えてゆく。これは、女子だけの果てしない物語。

【著者紹介】
矢部嵩 : 1986年東京都生まれ。2006年『紗央里ちゃんの家』で第13回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あも さん

    永遠の存在となりて果てなく長い人類の興亡を見つめてみたい。殺し合い、戮し合い、束の間憩い、また弑し合う。それは人が人となった時始まり、勿論形を変え今も続いていて、その先は誰も知らない。其れを見届ける存在をきっと神と呼ぶのだろう…。え?何の話?少女の話ですが何か?花も恥じらう乙女達が気付くと見知らぬ部屋で殺し合い一人だけが生き残る。そんなありがちなデスゲーム、嫌いじゃないよ…と思ってたら何時の間にか宇宙を見ていた。其処には瞬く星の数より無限の可能性と一輪の希望。今夜も少女たちの庭国には彗星のような雨が降る。

  • かのこ さん

    ドアを開けるたび無限にあらわれる○○子たち。脱出できるのは、n(ドアの開けられた部屋の数)−m(死んだ卒業生の人数)=1となる時。 登場人物は中三の女の子ばかり、体温やリアリティを感じさせない序盤が、こんな進化を遂げていくとは思わなかった。出来上がる巨大石室はなんだか某作品を思い起こさせるような…。 巨大なアリの巣のように、世界は広がり、本当に遊び道具を与えられ仕組みを作って放置した箱庭を覗き見ているような感覚を味わう。 ところどころであらわれるカップリングが癒し。ラストの安息感も。

  • yukaring さん

    女子だけの不条理すぎるデスゲーム。卒業式に向かっていたはずの少女たちは見知らぬ部屋で目を覚ます👀そして見つけたのは卒業試験という「ドアを開けられた部屋の数をnとし、死んだ卒業生の数をmとする時、n−m =1とせよ」の貼り紙。これって卒業生は死ぬ前提⁉️自殺や他殺など少女たち同士の果てしない殺戮劇と次々に送り込まれてくる少女たち。そして殺しあいを生き残った彼女らの驚きの行動。いったいどこにたどり着く物語なのか読了後も???がいっぱい😅不条理さが白井さんの「少女を殺す100の方法」っぽいテイストだった。

  • みや さん

    卒業式へ向かっていた中3女子たちがドアを開くたびに無限に増えていく不条理SF。あらすじを聞いただけで絶対好きだと確信したものの、序盤は文章が合わなくて苦戦した。それでも先が気になって読み続けていたら、中盤で一気に激変。最高に狂ってる!予想の斜め上すぎてニヤニヤが止まらなかった。まさかこんな壮大な物語になるとは。大量に登場する女子が正に大量生産された消耗品の如く扱われ、誰に対しても感情移入させてくれない。これを読んで、しかもこれを好きだという変態達と熱く語りたい。読む人をかなり選ぶ作品だが、私はとても好き。

  • ふじさん さん

    著者は初読み。無二の怪作にして傑作。「卒業試験」と称すデスゲーム空間に閉じ込められた少女達、という状況設定を何処までも拡張し続ける前衛的百合SF。殺し合いを強要する場からでも人間的な生の営みは発展し得る、という物語として書き始められつつ、ある時点からその因果が逆転し、読者の現実にまで牙を剥いてくる構造に思わず唸った。歴史書や建国神話のような体裁を繕いながら、時折信じ難い程ラフな言葉遣いが飛び出す事にさえ必然性がある点にも瞠目。万物がデスゲームだとして、遍く生命の目指す終着点を簡潔に描いた結末に、身悶えた。

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