基本情報
内容詳細
名もなき者たちの取るに足りない営為が、ナラティヴを成す。叛逆的暴力と愛国的雄姿との転倒的ゆらぎ。正典作家・作品研究ではない、埋もれているテクストや、読み捨てられる類の大衆作家による多様な物語群から、アメリカ国家生成・独立建国以来、潜在しつづける矛盾と、体制に叛逆する精神を探るアメリカ文学・文化研究。
目次 : 序章 自浄作用としての抵抗と犯罪の物語/ 第1章 売れる偉勲・憂うる遺訓―メイソン・ロック・ウィームズの『ワシントン伝』再考/ 第2章 アメリカン・イーグルとバード・ウーマン―国璽決定プロセスと先住民ピース・メダル「外交」/ 第3章 魔女の物語とインディアン―ジョン・ニールの『レイチェル・ダイアー』とアメリカ文学の独立/ 第4章 詐欺師的独立宣言―『スティーヴン・バロウズ回想録』とシェイズ叛乱のパロディー/ 第5章 ナンシー・ランドルフ・モリスの幸福の追求―誘惑小説の実演転覆とジェファソン周辺の「幸福の館」/ 第6章 ウォーナー・マッケアリーの復讐と独立―元奴隷とモルモン白人妻の奇妙なダブル・パッシングの一事例/ 第7章 帝都の物語―アンテベラムの都市犯罪小説と建国祖父の遺産継承/ 第8章 奴隷的不服従―ルイザ・メイ・オルコットのセンセーショナル・スリラー/ 第9章 そして誰もが黒くなった―アリス・ランダルの『風は去っちまった』における再生の政治学/ 第10章 ツァラル島再訪―マット・ジョンソンの『ピム』におけるダーク・ピーターズの復権
【著者紹介】
白川恵子 : 東京都出身、同志社大学文学部英文学科教授。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程修了、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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