うつくしが丘の不幸の家 創元文芸文庫

町田そのこ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488803025
ISBN 10 : 4488803024
フォーマット
出版社
発行年月
2022年04月
日本
追加情報
:
288p;15

内容詳細

それでもわたしたち、この家で暮らしてよかった。
人生の喜びも悲しみもすべて包み込む、
本屋大賞受賞作家が贈る傑作家族小説。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。美容師の美保理にとって、これから夫の譲と暮らすこの家は、夢としあわせの象徴だった。朝、店先を通りかかった女性に「ここが『不幸の家』だって呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われるまでは――。わたしが不幸かどうかを決めるのは、他人ではない。『不幸の家』で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族をふっくらと描く、傑作連作小説。

【著者紹介】
町田そのこ : 1980年生まれ。2016年、「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。2017年、同作を収録した短編集『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。2021年、『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • niisun さん

    私も昔、“美しが丘”という名前の街に住んでいました。しかも、結婚して住み始め、離婚したのもその家。幸せな時間も、そうでない時間もその家で過ごしました。そんなこともあり、いろいろ思い出しながら読みました。この小説では様々な人たちが一時を過ごし、また離れていく家。どの話も暗雲が立ち込める不穏な空気で始まるものの、終盤には薄日が射し込む感じで、最後まで読んで良かったです。話の中でも、“幸不幸は誰かが決めるものではない”とありましたが、それとともに、短い時間の中で決まるものではないと自分の経験からも思いますね。

  • まちゃ さん

    何か不穏な感じの題名だな、が第一印象。海を見下ろす丘に広がる住宅地「うつくしが丘」。そこに建つ三階建ての一軒家に暮らした5つの家族の物語。困難に直面した家族が、それを乗り越えていく、ほっとできる展開。読みやすく面白かったです。そこから出ること、留まること。自分の居場所を自分で決める大切さ。

  • Karl Heintz Schneider さん

    海を見下ろす新興住宅街「うつくしが丘」に夢にまで見た一軒家を購入するが、ある日通りかかった女性が「ここが不幸の家って呼ばれているの知っていて買われたの?」希望が一瞬で不安に変わるが、お隣の老婦人の温かい励ましに思いを新たにする。「不幸かどうかを決めるのは他人じゃない、この私だ。」この家は「不幸の家」かもしれないが決して「不幸な家」ではない。「不幸の家」は他人が勝手に決めたこと。「不幸な家」は自分が思うこと。自分が不幸だと思わなければ決して不幸ではない。このタイトルには、そんな意味が込められていると思う。

  • Kazuko Ohta さん

    引っ越してきた人に向かって、事故物件でもないのに「この家の住人は不幸になる」とわざわざ言いに来る口さがないオバハン。幸せか不幸せかなんて他人が決めることではないのに、気弱になっているときにはそんな言葉を真に受けてしまいそう。町田そのこの物語に出てくる人たちは、辛い過去を持っている場合が多い。しかし「読み終えた後に、明日もちょっとだけでも頑張ろうと思ってもらえたら」という彼女の言葉どおり、優しい。現在の家から遡る形で、どの住人にとっても後ろ向きな退去ではなかったことがわかります。うん、今日も明日も頑張ろう。

  • のり さん

    子供を育てるには環境の良い住宅地「うつくしが丘」。しかし、不幸の家と呼ばれる一軒家があった。人の出入りが多い事から囁かれたのか…家との相性もあると思うし、住む人の事情もある。だから決して悪い事ばかりではない。掘り下げれば、ステップアップだし、前向きになれる家とも言える。枇杷の木と共に家族で成長していって欲しい。

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町田そのこ

1980(昭和55)年生れ。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞。選考委員の三浦しをん氏、辻村深月氏から絶賛を受ける。翌年、同作を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行。’21(令和3)年『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受

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