大陸の誕生 地球だけに許されたマグマの進化 ブルーバックス

田村芳彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065352496
ISBN 10 : 4065352495
フォーマット
出版社
発行年月
2024年04月
日本
追加情報
:
288p;18

内容詳細

地球の大陸は謎だらけ。そもそも地球にはなぜ大陸があるのか? そんなことすらわかっていなかった!

【海の惑星? いやいや、大陸の惑星】
地球の大きな特徴として「海」が挙げられる。地球表面の多くの部分を液体の水が覆っている。カラカラに渇いているお隣の惑星(火星や金星)とは大違いだ。
逆に見れば、地球には海に覆われていない場所(陸)がある。じつは、岩石学的には、この「陸」こそが地球の特徴である。
地球表面を構成する岩石は、海洋底と陸で明確に異なる。火星や金星の表面を覆う岩石は、地球の海洋底の岩石と同じ「玄武岩」。地球の陸地を構成する「安山岩」は、火星や金星には存在しない。ほかの惑星には存在しない安山岩に、地球表面の3割が覆われている。
地球にはなぜ安山岩があるのかーー? これが、本書が挑む最大の謎である。

【マグマをめぐる冒険】
地表の岩石はすべて、マグマが冷え固まったもの(火成岩と総称される)。マグマの大部分は、地下の岩石(マントル)が溶けたもの。したがって問うべきことは、「安山岩をつくるマグマはマントルでどのようにして生じるのか?」となる。
火成岩研究をライフワークとする岩石学者の「マグマをめぐる冒険」へご招待! わたしたちの大陸についての知識が大幅にアップデートされること間違いなし。

【おもな内容】
序章 岩石学者なのに“海の研究所”に入ってみた
第1章 大陸とは何だろう?:地球の層構造を知ろう
第2章 地殻はどうやって生まれる?:マグマの生成条件を知ろう
第3章 大陸地殻はどこでできる?:安山岩マグマの生成条件を知ろう
第4章 西之島は大陸の卵か?:大陸生成モデルを検証しよう
第5章 大陸は増えてきたのか?:成長・移動・衝突・分裂を復元しよう
第6章 最初の大陸はいつ生まれた?:地球の初期進化を知ろう
終章 岩石学者が大陸と生命の起源を考えてみた



【著者紹介】
田村芳彦 : 1961年、石川県生まれ。博士(理学)。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)海域地震火山部門上席研究員(シニア)。岡山大学固体地球研究センター中核的研究機関研究員、金沢大学理学部助手、JAMSTECの主任研究員を経て現職。専門は火山学、岩石学で、マグマの成因を研究している。研究船、無人探査機、有人潜水艇などを用いて海底火山の調査に従事してきた。小笠原諸島に属する西之島の研究にもとづき、「新たな大陸は海から生まれる」と提唱した2019年の論文で、2023年日本地質学会Island Arc Awardを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まーくん さん

    マグマはマントルでできる。マントルはかんらん岩でできていて固体のマントルが何らかの理由で融けると液体のマグマができる。大陸プレートは安山岩質、海洋プレートは玄武岩質マグマによってつくられる。著者の所属するJAMSTEC(海洋研究開発機構)は伊豆・小笠原弧の海洋地殻を調査・研究し「大陸生成」のメカニズムに辿り着く。伊豆半島から一直線に南に延びる伊豆諸島は海面に顔を出した火山島で、明神礁などの多くの海底火山も連なっている。最近、火山爆発を起こし新島を形成した西之島もそのひとつ。⇒

  • やいっち さん

    専門家のみならず一般向けの本なのだが、時に難解な記述も。それでもここまで分かってきたのかという印象と、まだまだ定説に至らない謎も少なからずあると改めて知った。

  • yyrn さん

    大陸はなぜあるのか?いつどうやってできたのか?考えてもみなかった問いかけに一気に興味が沸き、好奇心が非常に刺激された本。地学好きの人はせひ読むと良い(と思う)w。▼地表の岩石はすべてマグマが冷えて固まったものだが、陸地は「安山岩」でできているのに、海洋底は「玄武岩」でできている。火星や金星も玄武岩でてきでいる。なぜ地球の大陸だけが安山岩でできているのか?それはどこから供給されているのか?大陸下の地殻の厚さは30~50kmだが、海洋底の地殻は5~7kmしかない。それが関係しているのか?などなど、岩石学が⇒

  • 寝落ち6段 さん

    我々は、あまり地面について知らないと思う。高校でも地学が選択肢にある学校は少ない。我々が日々、生活をしている地面は、毎日少しずつ変化していることが知られていない。そもそも、どうして水の惑星に地面があるのだろうかという疑問すら湧いてこない。改めて、地面が生まれる過程を知ると、悠久な時間を経て誕生したことに感動する。西之島の噴火にこれほどまでの意味があったことに驚く。地球は大きいが故にまだまだ観測できない地殻変動がある。これから更に大発見が繰り返されるだろう。そういう浪漫がたまらなく好きだ。

  • 月をみるもの さん

    幕間章でのギブス自由エネルギーの解釈を通じた「なんで水が入ったり、複数の鉱物混ざってると岩石の融点が下がるのか」という説明が白眉。相図の説明もむっちゃわかりやすくて、おれが修士の時にこの本出してくれたらよかったのに、、、、と詮無いことを考えてしまいました。大陸のでき方については、「海洋地殻しかない初期地球でプレート同士が衝突した時、どっちがどっちかの下に潜り込むのか」という説明がないのがちょっと残念。。。

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田村芳彦

1961年、石川県生まれ。博士(理学)。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)海域地震火山部門上席研究員(シニア)。岡山大学固体地球研究センター中核的研究機関研究員、金沢大学理学部助手、JAMSTECの主任研究員を経て現職。専門は火山学、岩石学で、マグマの成因を研究している。研究船、無人

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