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田中英光傑作選オリンポスの果実 / さようなら他(仮)角川文庫

田中英光

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041034545
ISBN 10 : 404103454X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

西村賢太が傾倒する、無頼派私小説家の名作6篇を厳選収録
オリンピックに参加した自身の体験を描いた「オリンポスの果実」、晩年作の「さようなら」ほか、珠玉の6篇を厳選。太宰治の墓前で散った無頼派私小説家・田中英光。その文学に傾倒する西村賢太が編集、解題。

【著者紹介】
田中英光 : 1913年、東京赤坂生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。大学在学中、ロサンゼルス五輪に早大エイトクルーの一員として出場を果たす。太宰治に持ち込んだ「オリンポスの果実」が「文學界」に掲載され第7回池谷信三郎賞を受賞

西村賢太 : 1967年、東京都江戸川区生まれ。中卒。2007年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞、11年『苦役列車』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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著者の代表作である「オリンポスの果実」に...

投稿日:2019/01/13 (日)

著者の代表作である「オリンポスの果実」に加え、「風はいつも吹いている」「野狐」「生命の果実」「離魂」「さようなら」の6編が収録されている。 やはり強い印象を残すのは「オリンポスの果実」。主人公の「ぼく」が1932年のロサンゼルス・オリンピックにボート選手として参加するために乗った船には、陸上選手も乗っていた。「ぼく」はその中の熊本秋子に恋心をいだくものの…。 自身がボート選手として参加したロサンゼルスオリンピックでの体験を小説化したものだが、まるでラブレターのようでもある。これだけ甘ったるい内容が小説として成り立っていることは不思議だが、それはラストの印象的なつぶやきが大きな意味を持っている。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こうすけ

    西村賢太が敬愛していた昭和の私小説作家・田中英光の短編集。編纂した西村賢太によれば、自分にとって最も誇れる仕事の1つだという。野狐、さようなら、が良かった。いつの時代も悪女は変わらない。弟子としての、太宰治の証言記録でもある。

  • to boy

    太宰に私淑していた田中さんの作品集。「オリンポスの果実」は再読、他は初読。まったくの私小説ですが、終戦直後の世相、文壇の様子が垣間見られて面白い。太宰との交流を描いた「生命の果実」が特に良かった。作品集を読むと田中さんの誠実さ、純粋さがひしひしと伝わってきます。誰かが言っていましたが、自死せずにいれば大作家になっていたような気がします。

  • 東京湾

    「ボクはどうせ、ひとりなのだから、ひとりで自分の生きたい路を歩いてみたい」師である太宰治の墓前で自殺した無頼派作家・田中英光。この傑作選に収められた短篇は同時に彼の生涯の軌跡でもある。五輪出場と選手団の中での儚い恋、戦後の共産運動への失望、太宰の死、生活の荒廃、やがては告別への想いまで、小賢しい修辞で誤魔化すこともなく、剥き出しの感情を綴っていた。初期の文学青年らしい青臭くも純粋な叙情、戦後の貧窮する生活での救いなき退廃、兎に角心を打たれるものがある。特に「さようなら」が描く生と死の生々しさは衝撃だった。

  • 村山トカレフ

    「オリンポスの果実」を含む6編を西村賢太がセレクト。オリンピック選手、早稲田卒、薬物中毒と自堕落な生活。太宰を私淑し追うように墓前で自死。とまあ、西村先生が復読につぐ復読と表現するやうに、影響を受けている処を随所に発見。体言止めなどは一瞬西村作品を読んでいるのかと錯覚。そんな発見に嬉しい気持ち。英光は所詮エリートであるとの弁を何某のインタビューで読んだ記憶がありこれにも納得。鮮烈な印象の「野狐」と「離魂」は筆致は荒削りで西村先生曰く「下手」な部分も大いにあるのだが、読み手を引きずり込む狂気と刹那が凄い。

  • Rieko Ito

    「オリュンポスの果実」だけを読んだ。太宰に心酔し自死した作家の作品ということで「純文学」として読むと、さほど深みもなくつまらない。しかし「戦前のラノベ」として読むと、ダメ男のうじうじした恋心も結構面白く読める。「英光さんは告りたい」。

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