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妖怪と怨霊が動かした日本の歴史 怨霊、鬼、天狗、狐…時代の変わり目にモノノケたちの暗躍があった

田中聡

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784305710192
ISBN 10 : 4305710196
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

日本の歴史には怨霊や妖怪が根強くかかわっている。古の文書に不思議な出来事が残されているだけでなく、それらは世の中を動かし、時には歴史さえ変えてきた。
また、古の人々は純粋に怨霊や妖怪の存在を信じて、その存在を怖れ、為政者たちはその存在を信じて政治を行い、人々の日々の営みがあり、歴史が紡がれてきたのである。
現在放送されているNHKの大河ドラマは、「源氏物語」の作者の紫式部が主人公だが、彼女が遺した作品には多くのモノノケが登場する。彼女は「源氏」をはじめとする登場人物たちがモノノケに翻弄される姿から何を訴えようとしていたのか。
藤原家や天皇家の権力闘争のために抹殺されていった者たちの怨みが怨霊となり、それに怯える権力者たちは怨霊や妖怪を鎮めるために神仏を崇め、高僧や陰陽師に調伏を願うが、祟りは鎮まるどころか天変地異や疫病、飢饉は続き、世は荒れ人心も乱れていく。
菅原道真、崇徳院、平将門、歴史に語り継がれる怨霊は必ず歴史の節目に現れている。
怨みをもった怨霊たちは人間の歴史に介入し、歴史に影響を与えていく。裏を返せば、権力を握った者たちの自責への念や、権力者への市井の民の不満が生み出したのが怨霊や妖怪である。
本書は豊富な古典史料を渉猟した著者が、歴史の中の「怨霊」「妖怪」を読み解いたユニークな日本史分析である。

【目 次】
まえがき
序章 「源氏物語」のモノノケと病
生き返った紫の上
モノノケ調伏の光景
出産とモノノケ
モノノケという病
紫の上の病とモノノケ
六畳御息所の生霊
死霊の訴え
紫の上を病ませたもの
女三宮の出家
心の鬼とモノノケ
紫式部の「心の鬼」

 一章 怨霊と平安
怨霊の登場
陰謀と怨霊たち
平安への闇路
怨霊の祭祀
御霊と疫神

 二章 愛欲の天狗
狙われた染殿后
天狗の正体
紺青鬼と天狗
幽霊の誕生

三章 怨霊の軍団化
小見出し抜け
雷神の道具
怨霊の王国

四章 聖剣の喪失と新生
崇徳院の誓い
疎外されていた生涯
龍宮へ還るもの
新時代の神話
新たな剣の物語

五章 末法の魅惑
後鳥羽院野天狗化
妖霊星の降臨
悪の宝剣
霊界のシャドウ・キャビネット

六章 狐、駆けあがる
清盛、狐に出会う
狐と雷神
狐を追放した女の素性
都を騒がす狐の事件‥

【著者紹介】
田中聡 : 1962年富山県生まれ。88年に荒俣宏氏を団長に結成された「日本妖怪巡礼団」に調査・案内役として参加、その後、執筆活動を始める。膨大な資料をもとに、思わぬ角度から歴史に埋もれた事象を掘り起こすノンフィクションを数多く著している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HMax

    かなり専門的な内容で驚き。絵が沢山の楽しい内容を期待していましたが、様々な文献や資料の引用が多く勉強になりました。枕草子で「病は、胸、もののけ、あしのけ。と書いてあるそうで、病の一種だったとか。明治時代の巣鴨病院、なんと113の「狐憑症」症例を研究、明治時代でも病気として認められていた。

  • rosetta

    以前に出た新書をリライトしたものでとても読みやすい。妖怪や怨霊が実在するかどうかは問題では無い。実在すると信じる者たちが歴史を動かした事実に変わりはない。長屋王、崇徳院、菅原道真、平将門…なんで怨霊になるのは身分の高い人ばかりなのだろうかね笑?たかが政争に負けたくらいで。庶民はもっと悲惨な生活を送り苦しんで死んでいっただろうに。これこそ怨霊がフィクションである証拠に思えて仕方がないんだけど。ただまあフィクションとしては面白く出来ている。ヤマタノオロチが安徳天皇に生まれ変わって宝剣を取り戻したとか。

  • 花林糖

    (図書館本)『妖怪と怨霊の日本史』『江戸の妖怪事件簿』を大幅に加筆・修正したもので、とても読み易かったです。特に興味深かったのは清和天皇の母、染殿后が常にモノノケに悩まされていた話(愛欲の天狗)。<「源氏物語」のモノノケと病/怨霊と平安/愛欲の天狗/怨霊の軍隊化/聖剣の喪失と新生/末法の魅惑/狐、駆けあがる/使われる狐の行方>

  • ユウユウ

    怨霊が歴史を作る

  • いろいろよむよ

    怨霊信仰が好きで「逆説の日本史」なども含めてこの手の本は読んでいるけれど、この本では比較的近年までのモノノケの変遷が記されていて、私が想像したり予想したりしていたモノに時々触れてくる面白い内容だった。カチッとハマって納得がいく部分が多かったし、また全く知らない知識や視点も得られたので満足できた。

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