炎凍る 樋口一葉の恋 岩波現代文庫

瀬戸内寂聴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006022297
ISBN 10 : 4006022298
フォーマット
出版社
発行年月
2013年11月
日本
追加情報
:
223p;15

内容詳細

一葉は二十四年の生涯のうちに才能を存分に開花させ、『たけくらべ』や『にごりえ』をはじめとする傑作を世に送り、日本近代の女流文学者の道を切り開いた。著者は一葉自身と小説中の女主人公の「生」と「性」に着目し、運命に抗う彼女らの苦闘の跡を追う。姦通を扱った未完の作品『裏紫』に新しいタイプの女を見て執筆した続編「うらむらさき」を併載。

目次 : 作家の幸福とは/ 恋道中/ 江戸のふたり/ 八丁堀同心/ なつ誕生/ 赤毛の少女/ 渋谷三郎/ 美登利と一葉/ 許婚者/ 晴着〔ほか〕

【著者紹介】
瀬戸内寂聴 : 1922年徳島市に生まれる。旧名晴美。作家・僧侶。岩手県天台寺名誉住職。時代に先駆けて個性的な生き方をした女性や仏教に関わるテーマを中心に作家活動を展開する一方、仏門に帰依し京都嵯峨野に寂庵を結ぶ。2006年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Mishima さん

    肖像からは意志の強そうな潔癖な人物がうかがえる。一葉の日記を紐解きながら彼女の生き様を描く。日記よりも小説の方がほんとうのことが書いてある、らしい。小説には自分の真実が出てしまうらしい。彼女の日記は肝心なところが破られている。小説家だからこその才気を生かし著者は失われた記述をあぶり出す。名作と謳われる「たけくらべ」。子どもと大人の境目。感受性を凝縮してみせる強かさ。「にごりえ」は、男を知らなければ書けないはずだ、と著者、瀬戸内寂聴は定説に反論を記す。一葉の美しき詩に縁どられた文体は物語のテーマを韜晦する。

  • MIHOLO さん

    明治ブームが続いているので瀬戸内先生の一葉へ。恋歌で出てきた中島歌子、三宅花圃ももちろん登場。もっと恋愛部分がクローズアップされるかと思ったけど、一葉も読まれたくない日記は破いていたりするので、そこは想像のみになるのは、どの作家も共通している。一葉と言うと赤貧、短命のイメージだったけど、短くても濃い人生だったね、と思った。いや、本人は悔しかっただろうけど。瀬戸内先生の言葉で印象深いのは、「芸術の神は恋、健康、富、家族の団欒などの犠牲を捧げなければ、芸術家としてのキップを渡してくれない」思い当たるので納得

  • ymazda1 さん

    瀬戸内さんの評伝はだいたい読んだつもりだったけど、この本は知らんかったと思ったら、初出は晴美時代でなくて、1996年74歳のときだったのか・・・日記手紙以前の少ない資料を辿って、一葉誕生以前まで溯っていくところは、相変わらずだなと思ったけど、半井桃水云々あたりで突然終わってるのは残念というか、高齢だとか、寂聴業だとか、そういった事情もあったんだろうか・・・未完の「裏紫」の続きを自身で書いて巻末に収録した上、悲劇的な結末にしか至らなかったことを未完の理由としているけど、じゃあ「にごりえ」は。。。

  • 門哉 彗遙 さん

    「作家は、不如意も、不幸も、失意も、汚濁の経験も、生きたすべてを逆転させ、マイナスをプラスに転換する魔術を与えられている。あるいは、生きる経験のすべてを堆肥にしてしまい、芸術の花の肥やしにするといいかえてもよい。」樋口一葉はそれを体現した作家として描かれている。そしてまさに寂聴さんがそうである。一度でいいから寂庵に行ってお会いしたかったと妻と話している。

  • ありす b さん

    桃水への恋が一葉の作品群を作らせた、と思わせるほど、恋の描写が生き生きと情熱的。評伝というより恋愛小説を楽しんだように思います。一葉の両親に関する章が長く、詳しく知ることができてよかったです。貧しさに苦しんだという印象が強いので、両親は力のない人たちだったと思い込んでいましたが、違ったのですね。

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人物・団体紹介

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瀬戸内寂聴

1922年徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で第2回女流文学賞受賞。73年得度、筆名を晴美から法名の寂聴に変更。92年『花に問え』で第28回谷崎潤一郎賞、96年『白道』で第46回芸術選奨文部大臣賞。2001年『場所』で第54回野間文芸賞受賞。06年度文化勲章受章。11年『風景』で第3

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