サド侯爵・あるいは城と牢獄 渋沢龍彦コレクション 河出文庫

澁澤龍彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309407258
ISBN 10 : 4309407250
フォーマット
出版社
発行年月
2004年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,228p
15cm,228p

商品説明

有名な「サド裁判」でサドの重要性を訴え、翻訳も数多くなし、『サド侯爵夫人』の三島由紀夫とも交友があった著者のエッセイ集。監禁の意味するもの、サドの論理といった哲学的考察や訪問記を収めた好著。

内容詳細

城とは裏返しにされた牢獄であり、牢獄とは裏返しにされた城である―著者は、日本へのサド紹介と再評価に尽力するなかで、城と牢獄が象徴する意味を極めて現代的な視点で解き明かす。サド侯爵の思想と、その思想が巻き起こす「事件」を論じた第一章のほか、第二章ではボルヘスやコクトーを、第三章では稲垣足穂、滝口修造など東西の芸術に関する論考を併載する。

目次 : 城と牢獄/ サドの論理/ サド侯爵とジャンヌ・テスタル事件/ サドとマゾッホ―種村季弘『ザッヘル・マゾッホの世界』を読む/ 精子派としてのサド/ フランス版『サド侯爵夫人』について/ 惑星の運行のように―ルノー/バロー劇団『サド侯爵夫人』を見て/ ラコスト訪問記/ ラウラの幻影/ ポルノグラフィーをめぐる断章〔ほか〕

【著者紹介】
渋沢龍彦 : 1928年東京に生まれる。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた。1987年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    澁澤のエッセンスのつまった1冊といえるでしょう。城と牢獄が象徴する世界を突き詰めて、現代的な視点で解き明かすのは澁澤ならではのアプローチだと思います。サドの思想と思想からの事件が論じられているのが興味深いところでした。ボルヘスやコクトー、稲垣足穂などの東西の芸術論からも近親相姦や翻訳についてなどを独自の視点で述べています。全体的に魅惑と禁忌の世界観が漂っているように感じました。

  • sigismund さん

    その過激さゆえに色眼鏡で見られがちなサド侯爵。そんなサドの思想家的な一面を取り上げて論ずる。百科全書派に代表される18世紀哲学を吸収しながらも、創作活動によって突き抜けた論理性で情熱へと至ったサドは18世紀の思潮から完全に切り離され「異端」となる。滔々とサドの内面を掘り下げた評論のほか、ゼノンのパラドクスとボルヘスの思考ゲームめいた評論、魅力的な近親相姦論、ヴィスコンティの映画評など、澁澤のエッセンスが詰め込まれている。

  • ぐうぐう さん

    牢獄に閉じ込められ、身体的自由を拘束されたからこそ、サドの文学者としての才能が開花していくという逆説。牢獄の中で想像力という内的な城を築き上げていくサドへの、澁澤の共感がとても素直に理解できる。

  • Gimmikc さん

    城と牢獄に代表される隔絶された空間は澁澤伝統の特殊空間のアイデアで、常に空間を捉えるキーワードになっていますね。

  • のなん さん

    読むべき本が増えてしまった。

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人物・団体紹介

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澁澤龍彦

1928年、東京生まれ。本名龍雄。1953年東京大学仏文科を卒業。マルキ・ド・サドやジャン・コクトーの著作を翻訳する一方、美術評論や中世の悪魔学などを中心に多数のエッセイや幻想小説を発表。代表作に『唐草物語』(第9回泉鏡花文学賞)、『高丘親王航海記』(第39回読売文学賞)など。1987年没

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