室町社会の騒擾と秩序 講談社学術文庫

清水克行

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065297254
ISBN 10 : 4065297257
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
496p;15

内容詳細

諸大名が軍勢を率い御所を取り囲んで将軍に異議申し立てを行うかと思えば、没落した大名屋形には都市民衆が火事場泥棒に押し寄せる―。物騒で過酷に見える中世社会だが、その背後には独自の秩序と論理が存在していた。禁酒令、耳鼻削ぎ刑、梟首など意外で魅力的な視点から、中世社会を動的かつ大きな展望のもとに描いたデビュー作の増補決定版!

目次 : 序章 ふたつの室町文化/ 第1部 室町社会の法慣習(「御所巻」考―異議申し立ての法慣習/ 中世社会の復讐手段としての自害―復讐の法慣習/ 政権抗争劇のなかの都市民衆―掠奪の法慣習 ほか)/ 第2部 室町時代の都市生活(足利義持の禁酒令について/ 正長の徳政一揆と山門・北野社相論/ ある室町幕府直臣の都市生活―『碧山日録』と「春公」についてのノート ほか)/ 第3部 戦国時代の文化変容(室町後期における都市領主の住宅検断/ 織豊政権の成立と処刑・梟首観の変容/ 「耳鼻削ぎ」の中世と近世 ほか)/ 終章

【著者紹介】
清水克行 : 1971年生まれ。立教大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。明治大学商学部教授。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    いや、面白い。御所巻、復讐としての自害や梟首や耳鼻削ぎの変遷といった目を引く風習から、当時の社会情勢に幕臣の日常、荘園といった一見地味な研究まで、どれもこれも興味深い論考ばかりで一気読みさせられた。中には後に『喧嘩両成敗の誕生』や『耳鼻削ぎの日本史』等に結実する内容も含まれており、著者の研究の足跡も辿れるものとなっている。そういう意味でも自害や耳鼻削ぎといった部分が興味深かったかな。読んでいるうちに室町時代という文化的で騒々しく荒々しい時代にシンパシーすら感じてくる。我々の根の一部は確実にここにあるし。

  • MUNEKAZ さん

    もとは吉川弘文館で出した専門書。「喧嘩両成敗」「飢饉」「耳鼻削ぎ」といった後に一般書で書かれる話題の原型がここにある。特筆すべきは、博士論文をもとにした専門書とは思えぬ読みやすさで、下手な一般書よりもすらすら読める。清水先生のエッセンスがぎゅっと詰まった内容なので、ファンの人はもちろん、一連の対談本で興味を持った人にもおすすめ。個人的には足利義持の安定期に入った室町幕府政治を「サロン的」と評しているのが印象に残った。文化を紐帯とした、制度でなく「人」による統治の姿が、おぼろげながら見えてくるところである。

  • Toska さん

    これは「文化史」である、という冒頭の宣言に感銘を受けた。無論、それは広義の文化史であって、能や茶、水墨画など誰もが思い浮かべる華やかな室町文化とは異なる。だが、本書で取り上げられた室町〜戦国期の法観念や社会的慣行も、確かに「文化」として人々の心に刷り込まれ、場合によっては現代にまで影響を及ぼしているのだ。復讐の手段としての自害、法の保護を失った者に対する容赦ない攻撃、徳政一揆、耳鼻削ぎ…一見したところは異様で異質な過去の旧習を捉え直し、時代の精神を再構成する壮大な試み。掛け値なしの名著である。

  • 不純文學交遊録 さん

    ハードボイルドな日本中世を語る清水克行さんのデビュー作。一万円近い専門書が文庫で気軽に手に入るようになった。テーマは、ふたつの室町文化。能や茶道など狭義の文化に加え、法慣習や民間習俗を広義の文化として考察する。タイトル通り、自力救済を旨としながらも、一定の秩序のもとで生きていた中世の日本人。一般向け著作のような砕けた口調ではないが、目次を見て気になったテーマから読んでいけば、決してハードルは高くない。特に面白かったのが足利義持の禁酒令。三枝暁子さんの『日本中世の民衆世界』(岩波新書)を併読おすすめ。

  • qwer0987 さん

    読んでいる間安楽椅子探偵という言葉を思い浮かべていた。数々の歴史書に書かれた記述を落穂拾いのように拾い上げ、それをつなぎ合わせて中世の法感覚や、価値観などを新しい視点から浮かび上がらせていく様は、探偵の仕事のようで刺激的。抗議の手段として自害する価値観や流罪の真に意味するところなどの法に関する考えや、没落した家から物を盗む民衆、罪人を罰するためでなく売り払うために破却する検断の様、代銭納がもたらす荘園制の弊害と物価の関係、耳鼻削ぎが本来的には女性のための刑罰だった話、などどれも目を引く内容であった

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