東欧怪談集 河出文庫

沼野充義

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309467245
ISBN 10 : 4309467245
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
440p;15

内容詳細

西方的形式と東方的混沌の間に生まれた、未体験の怪奇幻想の世界へようこそ。チェコ、ハンガリー、マケドニア、ルーマニア……の各国の怪作を、原語から直訳。極上の文庫オリジナル・アンソロジー!

著者
沼野 充義 (ヌマノ ミツヨシ)
1954年東京生まれ。ロシア東欧文学の第一人者。著書に『ユートピア文学論』(読売文学賞)『世界文学論』など。訳書にS・レム『ソラリス』、V・ナボコフ『賜物』、『新訳チェーホフ短篇集』など。

【著者紹介】
沼野充義 : 1954年東京生まれ。東京大学名誉教授、名古屋外国語大学世界教養学部教授・副学長。ロシア東欧文学の第一人者。著書に『徹夜の塊 亡命文学論』(サントリー学芸賞)、『徹夜の塊 ユートピア文学論』(読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    怪奇小説アンソロジー。東欧というと深い森の中ではぐくまれた土俗を持つイメージがあるが、本書はその土俗と独特の想像力両方を同時に楽しめる一冊となっている。前者としてはユダヤの伝説を扱った「ゴーレム伝説」や変化球であるが「吸血鬼」、端整な怪奇小説として「シャモタ氏の恋人」や「象牙の女」辺りが目を引く。後者としてはチャペックの「足あと」やナンセンスの極み「笑うでぶ」「こぶ」がいい味出しているなあ。どれも西洋の何となく明るさを持つのとは対照的な独特の陰翳を持つような作品ばかりで、読み応えのある作品ばかりでした。

  • penguin-blue さん

    政治的な体制変化から近年では中欧というくくられ方をするようになった旧東ヨーロッパ諸国だが、この本に流れる雰囲気は中欧でなく、東欧。やや粗い石畳や石の壁と、暗くて人があふれる列車や駅、そして体制的な窮屈感。内容は死霊や復讐などべたな怪談話から、風刺めいたものや、ショートショートのような話まで幅広い。「ドーディ」「こぶ」「生まれそこなった命」「静寂」あたりが一味違って好み。体制が変わり、生活が変わっていくにつれ怪談の色合いも今後変わってくるだろうか。

  • 星落秋風五丈原 さん

    東欧はドラキュラ伝説が有名だ。しかしそればかりではない。決闘で今際の際に相手から「自分の剣はテート・フゥルクに持ち帰って欲しい。そして百回のミサをあげて欲しい。」と頼まれたので律儀にその場所へ向かった騎士団長は、一夜にして恐ろしい経験をする。『サラゴサ手稿』かつてファウストが悪魔といたと言われる伝説の館に貧乏な大学生がやってきた。人間何でもいい気になりすぎるもので、もっと金が必要になった学生は、ある恐ろしい企てに手を染める。『ファウストの館』いやぁ、悪魔に勝とうとしちゃいけませんぜ、旦那。

  • あ げ こ さん

    際立つのは狂気と言うものの近さ。常に近しい。異常はそう特別な姿形をしてはいない。無自覚のまま、狭間にある、あわいにある。現と悪夢の、幻想の、その区別のつかなさ。その区別をつけようとする事の無意味さ。混在し、同化しているが故に。そのどちらをも含み、出来上がっている、構築されている世界であるが故に。いずれにせよ逃れる事は出来ない。くつがえる事のなさ。不可避性。皆、よくわかっている。沈黙、或いは狼狽、虚な饒舌が物語る、絶望と混沌。魅惑としてのそれではなく、酷く、報われぬ現を反映するかのように、複雑で、陰鬱な…。

  • ふるい さん

    一番好みなのは「生まれそこなった命」(クリセオヴァー)。あとは「吸血鬼」(ネルダ)、「足あと」(チャペック)、「ドーディ」(フリジェシュ)、「象牙の女」(アンドリッチ)、「一万二千頭の牛」(エリアーデ)あたりがよかった。解説によると、西方的形式と東方的混沌のはざまに現れた「東欧的混沌」は、「怪談」というジャンルの特性にぴったり当てはまるという。バラエティ豊かな恐怖を楽しめた。

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