Books

江戸の宇宙論 集英社新書

Satoru Ikeuchi

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087212068
ISBN 10 : 4087212068
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2022
Japan

Content Description

19世紀初頭、実は日本の天文学は驚くべき水準に達していた――。
知られざる「天才」たちの活躍を通して、江戸の科学史の側面を描いた画期的一冊!


今日ではノーベル物理学賞を獲得する水準に至った日本の天文学研究。
そのルーツを辿ると、江戸時代後期の「天才たち」の功績にまで遡る。
「重力」「遠心力」「真空」など現在でも残る数多の用語を生み出した翻訳の達人・志筑忠雄。
「無限の広がりを持つ宇宙」の姿を想像し、宇宙人の存在さえ予言した豪商の番頭・山片蟠桃。
そして超一流の絵師でありながら天文学にも熱中し、人々に地動説などを紹介した司馬江漢。
彼らはそれぞれ長崎通詞(オランダ語の通訳者)・豪商の番頭・画家という本業を持ちつつ、好奇心の赴くままに宇宙に思いを馳せたのであった。
本書は現代日本を代表する宇宙物理学者が、江戸時代後期を生きた知られざる天才たちとその周辺人物らによる破天荒な活躍を負いつつ、日本の天文学のルーツに迫った驚きの科学史である。


【目次】
はじめに   
第一章 蘭学の時代 
第二章 長崎通詞の宇宙   
 2─1 志筑忠雄という人
 2─2 『暦象新書』と無限宇宙論
第三章 金貸し番頭の宇宙
 3─1 山片蟠桃という人
 3─2 大宇宙論の展開
終 章  「歴史の妙」  
補 論  日本と世界の認識   
 補論─1 志筑忠雄の『鎖国論』をめぐって
 補論─2 山片蟠桃の世界認識
あとがき 

【著者紹介】
池内了 : 1944年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞(現・講談社科学出版賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • やいっち

    「「重力」「遠心力」「真空」など現在でも残る数多の用語を生み出した翻訳の達人・志筑忠雄。「無限の広がりを持つ宇宙」の姿を想像し、宇宙人の存在さえ予言した豪商の番頭・山片蟠桃。そして超一流の絵師でありながら天文学にも熱中し、人々に地動説などを紹介した司馬江漢」らの事績や生涯を辿ってくれている。

  • きみたけ

    江戸時代に宇宙の概要を把握していた人物がいたことに驚きました。著者は名古屋大学名誉教授で総合研究大学院大学名誉教授の池内了先生。江戸時代後期の在野の学者による破天荒な活動を追いつつ、当時の宇宙論の先見性を見つめ直した一冊。物理学用語を生み出した翻訳の達人・志筑忠雄、「無限の広がりを持つ宇宙」の姿を想像し宇宙人の存在を予言した豪商の番頭・山片蟠桃、天才絵師でありながら天文学に熱中した司馬江漢、彼らの宇宙論について解説しています。特に山片蟠桃の先見の明に驚いたとともに、もっと深堀りしたいと思いました。

  • miel

    江戸中期から末期、最先端の蘭学に身を置いた志筑忠雄、山片蟠桃、司馬江漢の3人の天才の括りで天文学、物理学(当時は窮理学)などの理系分野中心にを時系列で体系化した良書。当時の天文学と言えば先進国であっても実地検証はもちろん不可、観察と考察の机上作業がメイン。その上、鎖国状態の江戸期では言葉を作る作業から始まる。新しい学問への意欲と戸惑いが見え隠れしつつも、全方位に目端の効く天才たちの業績が現代の学問の礎になっている事にワクワクがとまらない。どんな分野でも黎明期を作った先人には敬意しかない。

  • サケ太

    意外性を感じて面白い。宇宙というものの諸々の知識を半ば常識として知っている部分がある現代の我々。しかし、昔の人物は宇宙をどのように考えていたか。マンガ「チ。」で興味深い部分もそこで、意外と科学的に考えられている部分を見て驚いた。本書も、江戸時代の人物たち、司馬江漢、志筑忠雄、山片蟠桃を中心に江戸の宇宙論を語る。まさか、今でも使われている用語が江戸時代に生まれたとか、地動説を知っていたとか、宇宙や星々についての考察を行っていた事に驚愕。当時の科学的視点に面白さを感じる1冊。

  • 今も用いられる重力等の言葉を生んだ、元長崎通詞志筑忠雄。宇宙には幾百万の太陽があるとその時代に既に知り、江に表していた豪商の番頭である山片蟠桃の2人を中心に江戸の宇宙観を現した本。蛮学と呼ばれていた西洋の学問が蘭学となり洋学と表現が変わっていくのが全てを現してるなあ。山片蟠桃が描いた、恒星のまわりを公転する惑星が闇の中にたくさん散らばり、ぼーっと浮かんでいる絵が空から降ってくる無数のぼたん雪みたいでとても良かった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items