江戸の好奇心 花ひらく「科学」 集英社新書

池内了

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087212716
ISBN 10 : 4087212718
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
追加情報
:
336p;18

内容詳細

日本の科学研究のルーツは江戸時代に遡る。
長期に及ぶ政治的安定の中、人々は好奇心の趣くままに蒐集や実験、そして探究に没頭した。
その分野は数学、博物学、物理学、生物学(動物の飼育法や植物の品種改良)、花火や時計等の職人技術と、膨大な範囲に及ぶ。
さらに江戸の人々が熱中した「科学」の中には、今日の我々が失いつつある大切なものが隠れている。
本書ではそうした知の蓄積を丁寧に辿り直し、近代科学とは一線を画す「もう一つの科学」の姿を浮かび上がらせる。
『司馬江漢』『江戸の宇宙論』に続く「江戸三部作」、ここに堂々の完結。


【目次】 

はじめに
第一章 和算
日本の数学の簡単な歴史/数学の三分類/「算勘碁知恵阿呆の内」/遊歴和算家/「和算」のその後
第二章 博物誌
本草学から博物誌へ/さまざまな「博物誌」学者たち/博物大名/「紅毛博物学」/私の印象に残った人たち/江戸の博物誌の終焉
第三章 園芸
花卉・花木園芸の歴史/園芸文化の広がり/奇品ブーム/江戸の農業・野菜作り
第四章 育種
鼠/金魚/鳥/虫/蚕
第五章 技術
鉄砲・花火/望遠鏡・眼鏡/時計/からくり
おわりに


【著者略歴】
池内 了(いけうち さとる)
天文学者・宇宙物理学者。一九四四年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。
同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。
『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞(現・講談社科学出版賞)を受賞。
著書は『物理学と神』『宇宙論と神』『司馬江漢』『江戸の宇宙論』『科学者と戦争』『科学者と軍事研究』
『科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか』『姫路回想譚』など多数。

【著者紹介】
池内了 : 天文学者・宇宙物理学者。1944年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞(現・講談社科学出版賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • takao さん

    ふむ

  • 乱読家 護る会支持! さん

    江戸時代の役に立たない科学に焦点を当てる本です。 テーマは江戸時代の「数学(和算)」「博物誌の成果」「園芸」「育種」「技術」。 江戸時代の人たちは、好奇心が旺盛で、あそび好きで、凝ると損得を忘れて夢中になる人たちが多かったようですね。 ⚫︎科学の発展には、「時間的余裕」「そこそこの経済力」が必要。江戸時代はその条件を満たす一定数の層が居た。 ⚫︎西洋の科学と違って、東洋の科学は「体系化しない」「人間の視点から」「幅広く、難しくもなく」「近寄りやすい」などが特徴。

  • HH2020 さん

    ◎ 第一章和算から博物誌、園芸、育種と続き第五章技術まで、江戸時代に流行ったことがらを科学と結びつけて読み解く。当初、和算と技術が私の興味の対象だったのだが、読んでみれば博物誌、園芸、育種も同等またはそれ以上に面白かった。好奇心、変わり物、自然への慈しみ、通、芸、粋、奇、怪、などなどがキーワードに挙げられよう。現代のわれわれの科学に比べ、江戸時代の科学は「遅れた科学」ではなく「もう一つの科学」であった、という著者の論にすとんと納得した。先に読んだ渡辺京二の『江戸という幻景』に呼応したものを感じた。

  • Steppenwolf さん

    G和算,博物誌,園芸,育種,技術の順に江戸時代の市井に生きる人々の業績を紹介している.著者は,宇宙論の専門家だから和算のところなんかではもっとコメントしたかったのではないかと思うが,そのような野暮はしていない.ここ数年のうちに著者の「江戸の宇宙論」や本書の和算とからくり部分を扱ったような新書を読んでいた.最近の日本の書籍は文字で詰まっていないスカスカのものばかりである.しかし本書は読めども進まないというほどの濃密な読書となった.

  • 志村真幸 さん

     集英社新書の『司馬江漢』『江戸の宇宙論』に続く一冊だ。  江戸の科学や技術を、和算、博物誌、園芸、育種、技術の5つの側面から通覧した内容である。従来の発展史観を排し、江戸の科学の特徴が「役に立たないこと」「明確な目的を持たないこと」であったと位置づけている点がおもしろい。  各分野についての人物や著作が手際よく紹介されており、かなり詳しいところまで手軽に知ることができるのがありがたい。  和算の章がとくにおもしろい。役に立たないけれども発展した点を、著者が吟味し、玩味しているあたりが楽しい。

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人物・団体紹介

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池内了

1944年姫路市生まれ。名古屋大学・総合研究大学院大学名誉教授。1967年京都大学理学部卒業、1972年京都大学大学院理学研究科博士課程修了、1975年京都大学理学博士。京都大学理学部助手を皮切りに、北海道大学理学部・東京大学東京天文台・大阪大学理学部・名古屋大学理学研究科を経て、総合研究大学院大学

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