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データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために

江崎貴裕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784802612494
ISBN 10 : 4802612494
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan

Content Description

「数理モデル」とは、現実のデータを理解・活用するために生み出された様々な数理的な手段の総称である。これには、近年注目を浴びている機械学習だけでなく、物理学、生物学、生態学などの自然科学、また心理学、経済学、といった人文社会科学分野で用いられる諸手法が含まれている。
こうした極めて多様な方法論の間には、データの背後に存在するメカニズムをある種の数式で表現し、それを利用するという共通の目的・手続きが存在する。

データと目的が与えられたとして、どのモデリング手法に頼ればいいのだろうか?特に、現象の理解を目的とした分析には、機械学習の諸手法では太刀打ちできないこともある。
こういった場合には、統計モデリングだけでなく所謂計算論的モデルと呼ばれるボトムアップ型のモデリング手法が必要とされることもあるだろう。こうした俯瞰的な視点でモデルの「種類」を選択することはデータ分析において必須のステップであるが、そうした分野を跨いだ解説書は殆ど存在していないといっても良い。
そこで本書は、数理モデル全体が有機的に繋がって見えるような「横糸的な」理解を可能にする、全く新しい入門的な教科書を目指した。

本書では、さまざまなモデリング手法の基礎的な部分を解説するだけでなく、それらをどのように選択して使用すればよいか、そしてモデリングによって得られる結論について初学者が勘違いしやすい事項について丁寧に解説した。
主な読者としては、「これからデータ分析を始める」、或いは「ある種の分析で結果を出すことはできるが、それが何をやっていることになるのかがモヤモヤする」といった初学者・初級者を想定している。大学の一年次でも読み通せる程度の解説レベルを採用しているが、内容が淡泊になりすぎないように注意した。
また、通常データ分析の文脈では言及されない(しかし重要な)種々の数理手法についても解説することで、ある程度モデリングに慣れた読者が読んでも楽しめる内容を目指した。

目次
第一部 数理モデルとは
第1章 データ分析と数理モデル
〔データを分析するということ/数理モデルの役割〕
第2章 数理モデルの構成要素・種類
〔理解志向型・応用志向型モデリング/数理モデルの適用限界〕

第二部 基礎的な数理モデル
第3章 少数の方程式によるモデル
〔線形モデル/実験式・カーブフィッティング/最適化問題〕
第4章 少数の微分方程式によるモデル
〔線形微分方程式/非線形微分方程式/安定性解析/制御理論〕
第5章 確率モデル
〔確率過程/マルコフ過程/待ち行列理論〕
第6章 統計モデル
〔正規分布/統計的検定/回帰分析〕

第三部 高度な数理モデル
第7章 時系列モデル
〔時系列データの構造/自己回帰モデル/状態空間モデル/非線形時系列解析〕
第8章 機械学習モデル
〔複雑なモデルと過学習/分類・回帰問題/クラスタリング/次元削減/深層学習〕
第9章 強化学習モデル
〔行動モデルとしての強化学習/機械学習モデルとしての強化学習〕
第10章 多体系モデル・エージェントベースモデル
〔ミクロからマクロへ/さまざまな集団現象モデル/相互作用のネットワーク分析〕

第四部 数理モデルを作る
第11章 モデルを決めるための要素
〔数理モデルの性質/理解志向型・応用志向型モデリングのポイント〕
第12章 モデルを設計する
〔変数の選択/データの取得・実験計画/数理構造・パラメータの選択/間違ったモデリングをしないために〕
第13章 パラメータを推定する
〔目的に応じたパラメータ推定/パラメータ推定における目的関数の最小化/ベイズ推定・ベイズモデリング〕
第14章 モデルを評価する
〔「いいモデル」とは/分類精度の指標/情報量基準/ヌルモデルとの比較・尤度比検定/交差検証〕



著者プロフィール
江崎貴裕 (エザキタカヒロ) (著/文)
◎著者プロフィール
江崎 貴裕(えざき たかひろ)
東京大学先端科学技術研究センター特任講師。
2011年、東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2015年、同大学院博士課程修了(特例適用により1年短縮)、博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、国立情報学研究所特任研究員、JST さきがけ研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2020年より現職。東京大学総長賞、井上研究奨励賞など受賞。
数理的な解析技術を武器に、統計物理学、脳科学、行動経済学、生化学、交通工学、物流科学など幅広い分野の問題に取り組んでいる。

【著者紹介】
江崎貴裕 : 東京大学先端科学技術研究センター特任講師。2011年、東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2015年、同大学院博士課程修了(特例適用により1年短縮)、博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、国立情報学研究所特任研究員、JSTさきがけ研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2020年より現職。東京大学総長賞、井上研究奨励賞など受賞。数理的な解析技術を武器に、統計物理学、脳科学、行動経済学、生化学、交通工学、物流科学など幅広い分野の問題に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • えも

    様々な数理モデルの世界を横断的にざっくり説明。「俯瞰」という表現を用いるレビューが多いように、あくまでも入門書であって、実際、本書中では多くの他のテキストを紹介している▼手元にデータが揃いつつあって、どう分析しようかなと思ってたんで、何となくこっちのほうかな?という道案内になった感じ▼でもここからが大変なんだけど笑

  • あまつ

    赤い本の次に読了。本書は巻末にある通り、数理モデルに関する理解が深まったあとに、どういったモデルがあるか辞書的に使ったらいいのかも。ここの数理モデルを使うにはまだかなり勉強が必要だ。

  • nbhd

    良い本だった。これからデータ分析を学ぶ人のための入門書としても良いけど、データ分析をひとまわり学習した人が頭を整理するために読むのに最適な本かなと思った。データ分析をメタ的に理解できた。…よく理系学問は厳密とか言うけど、実際そうでもなくて、理系こそ「ざっくり」をつかむための学問なのではないか、数理モデルって簡単に言えば「ざっくり理解」のためのものだから。ま、その「ざっくりつかむための方法論」が厳密だったりするのだけど。あと、マックス・ウェーバーの「理念型」概念は、数理モデルに近いなと思ったりもした。

  • ぶう

    数理モデルの解説をしている入門書的位置付けの書籍。いろいろな数理モデルが網羅的に紹介されており、全体像を俯瞰的に理解するにはちょうどよい難易度ではなかろうか。全ページカラー刷りでイラストもふんだんに使われており大変読みやすい。また重要部分にアンダーラインも引かれているため、ポイントを抑えつつ流し読みもしやすい作りになっている。姉妹書の「分析者のためのデータ解釈学入門 」を先に読んだが、内容的にはどちらもオススメである。入門書とのことだが、一部理解が追いつかない数式もあった。まだまだ勉強不足。

  • むっきゅー

    メッチャ分かりやすい。カラーで図も多く、基本的な数学ができればどんどん読み進められる。様々な数理モデルを網羅しており、最初のページから順番に教科書として読むもよし、辞書的に必要なモデルだけ調べるもよし。各モデルの基本的考え方を理解することが容易であり、応用が効きそう。

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