断腸亭日乗 1 大正六-十四年 岩波文庫

永井荷風

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003600481
ISBN 10 : 4003600487
フォーマット
出版社
発行年月
2024年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
462p;15

内容詳細

大正六年から昭和三十四年、逝去の前日まで四十二年間、書き継がれた荷風の日記。明治・大正・昭和三代に渉る文豪の畢生の代表作にして近代文学の至宝。詩趣溢れる、鋭利な批評を込めた日本語で綴られる。全文を収載、注解、解説、索引を付した初の文庫版。第一巻は、大正六年から同十四年までを収録。(全九冊)

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読書メーターレビュー

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  • 新田新一 さん

    永井荷風の日記。彼が40代の頃に書かれたものです。単なる日々の生活の記録なのですが、べらぼうに面白いです。やはりよく本を読む人で江戸の書物や漢詩、フランスの書籍に親しんでいたことが分かります。大正の時点でプルーストを読んでいたことに驚きました。世俗の世界に対する嫌悪が語られ、菊池寛の売名行為などを厳しく批判。私が一番共感したのは、自然の描写です。花や月、気候の細やかな描写が胸に染みます。荷風は都市生活者でしたが、自然と触れ合うことで瑞々しい心を持ち続けた作家でした。

  • 鯖 さん

    荷風先生の日記が全部文庫になると聞いて。結構飛び飛びだし、晴とか快晴だけの日もたくさんある。いろんな女性と飲み歩いてるんだけど、ふわふわその女の名前が変わって、いなくなっちゃう方も多々。oh…。関東大震災の日「日将に午ならむとする時天地忽鳴動す」でウオオってなったけど「ホテルにて夕餉をなし、愛宕山に登り市中の火を観望す」でオアってなった。谷崎と一緒か。ルビ一切ないので、まあ読みづらいかもしんないけど、読んでれば慣れてくるやつ。活字中毒の人が(私か)だらだら読んでく分にはとても面白い。

  • 春ドーナツ さん

    私の勘違い、見落とし、節穴、二月廿九日の日記を一度も目にしたことがないような気がする。最初、四年に一度、カレンダーが一日ずれていく、と空想したけれど、単に省略したのならば、解決する。世迷い言に過ぎぬかも知れぬ。大正十四年から不意に文章量が豊富になり、興味深いエピソード満載である。十二月晦日の件でその理由を説明しているけれど、今後も14年路線が続くとしたら、末広がりな愉悦がまっていると思う。右の奥歯の虫歯を意識したのが、10歳前後で、30年間、左側のみで咀嚼した、という経緯を読んだとき、荷風さんいとをかし。

  • iwasabi47 さん

    単行本複数巻ある本なので、気軽に持ち運んで読みにくいな、電子もないしと考えていたら、待望の文庫化。注もしっかりある。が、やはり楽しむには前情報が必要かな。索引は最終巻。秋庭太郎『考証永井荷風』(私の持ってる単行本は索引がない。岩波現代文庫版には索引ある)大野茂雄『荷風日記研究』(日乗の索引ある。日記に出る人物評もまとまっている)を引きながら読んだ。特に女性関係は大野本だと分かり易い。やはり偏奇館引越前後で生活パターンが変わる。次巻も楽しみ。

  • はるたろうQQ さん

    漢語調で毎日の様子を書くが、当然内容の取捨選択はあるだろう。老年、病躯を嘆く記述も多いが、女性関係の記述も盛んで真に受けるべきでは無い。不調があると必ず医者の診察を受けるので健康には余程気を付けていたようだ。母親との交わりも密で、父や祖先の事跡も熱心に調べている。文学を金銭を稼ぐ道具と考えていると菊池寛や雑誌に対しては厳しい。江戸の文人に劣らずに言文一致体で文学を操れるのは露伴と鴎外だとし、漱石の名は見えない。また歌舞伎にもご意見番として深く関わっていたことも良く分かる。この巻には関東大震災の記事がある。

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人物・団体紹介

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永井荷風

1879‐1959。東京生れ。高等商業学校附属外国語学校清語科中退。広津柳浪・福地源一郎に弟子入りし、ゾラに心酔して『地獄の花』などを著す。1903(明治36)年より’08年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表し、文名を高める。’10年、慶応義塾大学教授となり「三田文学」

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