戦後オーストリアにおける犠牲者ナショナリズム 戦争とナチズムの記憶をめぐって 明治大学人文科学研究所叢書

水野博子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784623088621
ISBN 10 : 4623088626
フォーマット
出版社
発行年月
2020年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
402p;22

内容詳細

第一次世界大戦の敗戦で帝国が解体し、第二次世界大戦ではナチ・ドイツに併合されるという歴史を歩んできたオーストリア。二〇世紀という国民国家の時代にあってこの国は国民をどう定義し、国民のための国家をどのようにつくりだそうとしたのか。本書は、第二次世界大戦後のオーストリアにおいて国民国家が形成されてきた歴史的プロセスを現実政治と表象世界の両面から実証的にたどる。

目次 : オーストリア国民をめぐる二つの問題系―「八」のつく年をめぐって/ 第1部 犠牲者国民という射程(第二共和国の誕生と「犠牲者テーゼ」―「オーストリア国民」意識の勝利/ 「ファシズムの犠牲者」を創出する―抵抗運動の犠牲者/ 「ファシズムの犠牲者」を周縁化する―人種・信仰・国民的帰属による迫害の犠牲者 ほか)/ 第2部 犠牲者ナショナリズムの陥穽(元ナチの再統合と「犠牲者国民」の形成―抑圧される記憶/ 占領軍当局による戦犯追及―英、米、仏の実践/ オーストリア人民裁判による戦犯追及は国民の境界―内発的冷戦の構図から)/ 第3部 犠牲者国民の記憶空間(反ファシズム闘争をめぐる想起の文化―マウトハウゼンを例に/ 戦没者の記憶を継承する―オーストリア黒十字協会の活動を例に/ 戦没者記念碑―戦争をめぐる記憶の相克)/ 終わりなき犠牲者ナショナリズム―第三の問題系に向けて/ 補論 ブルゲンラント・ロマ迫害の二重構造―近代=国民の境界をまたぐ人びと

【著者紹介】
水野博子 : 1970年三重県生まれ。津田塾大学卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程中途退学、グラーツ大学精神科学部博士課程修了、Dr.phil.(歴史学)。大阪大学言語文化部講師、助教授、同大学大学院言語文化研究科准教授、明治大学文学部准教授を経て、明治大学文学部教授。専攻はオーストリア・ヨーロッパ近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • BLACK無糖好き さん

    戦後オーストリアの国民統合促進の基盤となる「犠牲者ナショナリズム」がいかに醸成されていったのかを詳細に論じている。最初の「序章」が非常に分かりやすくて素晴らしい。オーストリア・ファシズムの時代やナチズムの時代を経て、戦後、党派対立や冷戦などを背景に、「加害者」側が「犠牲者」へと包摂されていく。ドイツ第三帝国のために第二次世界大戦で戦死した者たちも、祖国オーストリアのために戦った犠牲者であると捉える。カトリック協会の役割もポイント。ロマ系の人たちへの迫害を著述した補論も貴重。

  • 犬養三千代 さん

    副題のとおり「戦争とナチズムの記憶をめぐって」が主題である。対ドイツと考えると加害者であったり被害者となったりややこしい。興味があったのは最後のあたりに「ロマ」と呼ばれる人達のこと。越境の民のイメージが強いが定住していた迫害されていた人々。未だ、それは続いている。やれやれ。

  • takao さん

    ふむ

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