友情 岩波文庫

武者小路実篤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003105047
ISBN 10 : 4003105044
フォーマット
出版社
発行年月
2003年03月
日本
追加情報
:
15cm,177p

内容詳細

主人公野島とその親友大宮における友情と恋愛の相剋―青春のあらゆる問題がこのテーマを中心に展開される、武者小路実篤の数多い作品の中でも、とりわけ多くの若い読者に愛読されてきた永遠の青春小説。

【著者紹介】
武者小路実篤 : 1885(明治18)年生まれ。1906(明治39)年学習院卒業。東京帝国大学文科社会科入学。1910(明治43)年雑誌『白樺』を創刊(1923年廃刊)。1920(大正9)年4月、『友情』を刊行(以文社)。1937(昭和12)年芸術院会員となる。1942(昭和17)年5月、文学報国会劇文学部長に就任。1946(昭和21)年3月、勅撰議員に任命される。1976(昭和51)年4月9日、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    友で括る他人、恋愛で括る他人、それぞれへの愛情の物語。1人の女性と2人の男性で展開。前半、男性が女性に惹かれていく経緯の情勢と心境を描写。後半では女性が発露する男性友人への恋愛感情、それを受けた友人は秘めたる女性への憧憬を恋愛感情へ昇華させ、その確信した愛情を友情より優先させる。興味深かったのは後半の心境描写。登場人物の文章で表現する。文語化は徐々に許されざる恋愛の醸成する様子を見事に理解させる。他人に対する想いは、利己的だろうか利他的だろうか。他人に抱く好意、相手がある以上良し悪しは存在しないのだろう。

  • ゴンゾウ@新潮部 さん

    高校時代に好きだった作家のひとり。その時は男の友情に感動したのを憶えている。再読すると野島の女々しさに憤りを感じ、大宮の偽善なところが透けて見えてしまう。そんな中でも周りに流されない杉子の強さが際立った。 でも野島と大宮を比べたら杉子の選択は当然ですね。素直に友情の美しい物語と思えなくなってしまったのは自分が擦れてしまったのかと思ってしまう。

  • esop さん

    白樺派と呼ばれる著者の作品。短編ではあるものの、グッと引き込まれる内容だ。主人公野島は、ひたむきだが自己中心的な愛で杉子に思いを募らせる。一方、野島の親友大宮はよくできた人間で、友情と恋愛で葛藤する。 現代でも十分に通ずる内容であり、リベラルな感が著者らしい。 最後の野島の手紙には感動すること間違いなし。 人間はつくられたとおりに心を動かすものだ/道徳的潔癖/本物を見るーー自由な心で。ーー自分は何という見下げた男だ。自分も真価の方でしっりやらなければならない/君よ、仕事の上で決闘しよう

  • Miyoshi Hirotaka さん

    小さな仲間内の恋の争奪戦の結末に海外赴任が決定的に影響をするのはトレンディドラマのプロットに酷似。さらに、一瞬の油断で親友に恋人を盗られる内容を歌った「テネシー・ワルツ」がリリースされる30年前にその筋書きを先取りした先見性に目を見張る。白樺派が私淑したロシア文学では、恋、結婚、不倫に境目はない。ところが、欲望の炎に身を焦がし、悲劇的な選択をさせるより、恋と友情の調和を目指す方向を歩ませた。若い時の恋と友情は対立するが、長い年月を経れば調和する。真摯な恋であれば、葛藤と恩讐は解消し、建設的な方向に向かう。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    野島の「女は才気走っているのは好かん」や「妻にするなら常に自分のことを称え、認めてくれる人でないと」という考えに「女を舐めるんじゃねぇ!」とむかっ腹が収まりませんでした。更に人を勝手に理想化した挙句、それを相手が拒否すると相手をすぐに侮蔑し、自分を高尚だと思い、人を見下すことで己を保つ野島の姿に私の父が被るのでイライラが倍に・・・・。その分、杉子の自分のエゴを貫く姿やノジマへの辛辣な評の方に心底、スッキリしました。時に人はどんなに浅ましくても罪悪感や痛手を踏み台にしても得たいものを得なければならない。

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人物・団体紹介

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武者小路実篤

1885年、東京・麹町生まれ。1910年、志賀直哉らと「白樺」を創刊。18年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復

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