心底惚れた 樹木希林の異性懇談

樹木希林

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784120051739
ISBN 10 : 4120051730
フォーマット
出版社
発行年月
2019年03月
日本
追加情報
:
253p;18

内容詳細

「だから、最初に言ったでしょう。ぼく個人のあれだから」
「もちろん個人の、長さんのあれを聞きたいの。その女のどういうのがよかったんですか、どの部分が」

これは当時33歳の樹木希林さん(当時の芸名は悠木千帆)と44歳のいかりや長介さんの対談の中でのやりとりです。
男女関係の核心をつこうとする樹木さん、逃げるいかりやさん、そこを樹木さんがさらに追い込みます。

内田裕也さんと結婚して3年目、テレビドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』でブレイク中の樹木さんが、1976(昭和51)年に雑誌『婦人公論』で1年間(出産をはさみつつ)連載した伝説の対談が、初めて書籍になりました。

ゲストは、前出のいかりや長介さんに加え、渥美清さん、五代目中村勘九郎さん、草野心平さん、萩本欽一さん、田淵幸一さん、十代目金原亭馬生さん、つかこうへいさん、山城新伍さん、いかりや長介さん、山田重雄さん、米倉斉加年さん、荒畑寒村さんと、映画スター、TVの人気者から元祖・社会主義運動家まで多種多彩かつ超豪華。
樹木さんは、彼ら12人に、徹底して男と女の話を問いつめます。

解説を寄せた武田砂鉄さんの表現によれば、「相手を当惑させながら、当惑させている間に、相手との距離を縮めていき、思わず相手から必要以上の言葉をこぼれさせるのは、相当な名インタビュアーと言える」。

相手の本心をグッとつかんでしまう言葉と語り口に、最初は度肝を抜かれるかもしれません。
でも、そこには後年の「ありのまま」「自然体」の生き方に通じるものが感じられます。
樹木さんは30代からすごかったのです。

対談の最後には、それぞれ樹木さんの味わい深い「一言」があります。
詩人・草野心平さんの回はこうです。

「この世に生まれてしまった身を恥じらい、なお生きてるということを恥じらう気持ちがフッとみえた時、わたしは男って色っぽいなと思うのです。
そんな時こそ男にとって女が必要だし、女は男に心底惚れるのじゃないでしょうか」

至言ではないでしょうか。本書のタイトルは、ここから取りました。

翌77年、樹木希林と改名後に行われた女性だけの座談会「男は何の役に立つか」(樹木さんと作家・津島佑子さん、ジャズ歌手・安田南さん)も収録。必読です。


【樹木 希林(キキキリン)】
1943年東京都生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、後に樹木希林と改名。文学座附属演劇研究所に入所後、テレビドラマ『七人の孫』で森繁久彌に才能を見出される。ドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』などの演技で話題をさらう。出演映画はきわめて多数だが、代表作に『半落ち』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『歩いても 歩いても』『悪人』『わが母の記』『あん』『万引き家族』などがある。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫はロックミュージシャンの内田裕也、長女にエッセイストの内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘がいる。2018年9月15日に逝去、享年75。

【著者紹介】
樹木希林 : 女優。1943(昭和18)年1月15日東京生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、77年に樹木希林と改名。61年文学座附属演劇研究所に入所、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』などの演技で人気女優に。出演映画多数。2008年に紫綬褒章、14年に旭日小綬章を受章。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫はロックミュージシャンの内田裕也。18年9月15日逝去、享年75(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いつでも母さん さん

    あの頃(昭和51年)樹木希林さん33歳(当時はまだ悠木千帆)そうそうたる顔ぶれの男性を相手に、鋭い質問と希林さんの確固たる存在に天晴れと思う。希林さんだからこその対談内容だったのだとも思う。対談のラストにそれぞれ一言があって、それがまた好い。荒畑寒村さんとの最後の一言にはグッとくるものがあります。武田砂鉄さんの解説も良かった。希林さんに感じる『個として生き、淡々と死んでいく。』群れなかった人の言葉が圧し掛かる。すべての人間がこうだと、それはそれで大変だろうけれど・・

  • デジ姫 さん

    山城新伍との対談読んで、あの話が本当ならもしかしたら私は妻と離婚結婚を繰り返した彼を誤解していたのかもと思った。妻や子から見捨てられ老人ホームで最期を迎えた彼がかわいそう・・。子供時代に見た白馬童子や風小僧、あの頃はキラキラ輝いて見えた。

  • ゆう さん

    婦人公論での対談連載をまとめた本。樹木希林さん(33)は悠木千帆さん(33)だったんですね。対談のテーマは男女関係。渥美清、つかこうへい、中村勘三郎、萩本欽一、荒畑寒村…。ビッグネームばかりの目次に頭がくらくらしちゃいます。現在においては大御所のあの方もこの方も、まだ青年期であるためか、対談相手が樹木さんであるためか、今と道徳的な価値観が違うためか、とにかく結構驚くようなことをぶっちゃけています。樹木さんの切り込み方の巧みさ&相手を見通す力にほれぼれ。内容も何故かエグいとは思わなかったんだよなあ。

  • hiromura さん

    悠木千帆時代の対談集。主に女性とのことを聞いてる。なかなか興味深い。かなりの人たちが若くして(50代〜70代)亡くなっていることに驚いた。悠木千帆の一言が面白い。

  • らい さん

    樹木希林、ほんと魅力的だな。若い頃を知らなかったけど人気だったんだろうな。人はみな各々の物語や理屈があるのを識っていて、「なんじゃそれ」って、「私を驚かしてよ」っていうのが根幹にあるような気がするな。内田裕也に掴まれたのも、そこなんだろうな。いやあ、おもしろかった。

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樹木希林

女優。1943(昭和18)年1月15日東京生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、77年に樹木希林と改名。61年文学座附属演劇研究所に入所、テレビドラマ『七人の孫』で森繁久彌に才能を見出され、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』などの演技で人気女優に。2008年に紫綬褒章、14年に旭日小綬章を受章

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