構造素子

樋口恭介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152097279
ISBN 10 : 4152097272
フォーマット
出版社
発行年月
2017年11月
日本
追加情報
:
408p;20

内容詳細

エドガー・ロパティンの父ダニエルは、H・G・ウェルズやジュール・ヴェルヌに私淑する売れないSF作家だった。彼の死後、母ラブレスから渡された未完の草稿のタイトルは、『エドガー曰く、世界は』。その物語内で、人工意識の研究者だったダニエルとラブレスは、子をもうけることなく、代わりにオートリックス・ポイント・システムと呼ばれる人工意識、エドガー001を構築した。自己増殖するエドガー001は新たな物語を生み出し、草稿を読み進めるエドガーもまた、父ダニエルとの思い出をそこに重ね書きしていく―。SF作家になりきれなかった男の未完の草稿にして、現代SF100年の類い稀なる総括。第5回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。

【著者紹介】
樋口恭介 : 1989年生まれ。岐阜県出身。早稲田大学文学部卒、会社員。『構造素子』で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • いちろく さん

    物語を作る事は、物語の中に世界を創る事。作中作の中で広がる世界は、作品の中でも構造的な世界を構成させる展開。 それは、構造された世界として、読み手側にもイメージさせる事にも繋がっている。その世界観を味わう事が、この作品に感じた魅力。私には斬新に感じたけれど、選評によると東浩紀さんの「クォンタム・ファミリーズ」へのオマージュとの事。併せて、SFに詳しい人程楽しめるお遊びも多いと知り少し悔しくも感じた。巻末の梗概に気がついたのが読了後で、残念。理解の確認にも使えたので、もっと早く知りたかった。

  • ちょき さん

    ハヤカワSFコンテスト大賞。ディストピアでありシンギュラリティでありかつ文学史でもあり、父と子の物語でもある。相当に頭のいい作家だろうか。知識量が半端ない。円城塔か!ともつっこんだし。ほぼ400ページの大作だが、おそらく文庫に落ちることはないのではなかろうか。読み手を選ぶ小説だと思う。反復される文章は、韻を踏んでてラップのように心地よく、詩のような流暢な文章もある。文学的に惹かれる要素はあるのだがなんだかもったいない。独りよがりすぎるのだろうか?。失礼にも総評すると「で?」で終わっちゃった小説。

  • うめ さん

    Lはレベル、もしくはラブ。Pはプレイスもしくはパターン。Vはボリュームもしくはヴァリアス。選択された可能性も切り捨てられた可能性も全てを内包する宇宙。宇宙を記述する言葉、数式で示される宇宙。フィボナッチの様にフラクタルの様にどこまでも自己相関性を持ち、一部に全てが、全てに一部が反映された形式。どこまで拡大しても、どこまで微細に観察しても、繰り返し現れるパターンはほとんど同じで全く違う。世界は言葉で記述でき、言葉は世界に内包される。書き手は全てを含むが故に白紙の紙に、初期値のみを定義できる。光、あれ、と。

  • メルト さん

    素晴らしい作品だった。とはいえ、この作品は現代SFへのオマージュが多々あり、SFの読者ではないぼくには完全に理解できているとは言えないだろう。しかし、文章が現代作家とは思えないほど美しく、端正かつ個性的な、押韻とリフレインが多い文体は読んでいて楽しかった。また、この作品の何よりの長所は完璧とも言えるほど精緻な構成だけど、父子の物語としても読め、そのシーンでは強く感情移入してしまった。前に「完璧なものと心を揺さぶるものは相反する」ということを考えたことがあるが、必ずしもそうで無いのだと気付かされた作品だった

  • そふぃあ さん

    難しいぞ。これまで見てきたこと聞いたこと考えたこと全部を詰め込もうと書いた様だし、補記を読む前からそれは伝わってきた。変えようのない現実に対し「こうであったかもしれない」無数の断片が脳の中で浮かんでは消え、それをどうにかこうにか掬い取る作業が「物語る」ということだ、って私は解釈した‬が。。この本は見紛うことなく開かれたテクストなので、私の読みは真であり偽であり、また他の読者の解釈も真であり偽だろう。

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人物・団体紹介

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樋口恭介

1989年生まれ。岐阜県出身。早稲田大学文学部卒業。外資系コンサルティングファームに勤務。現在はテクノロジー部門のマネージャーを務め、DX戦略を中心とする案件を手掛ける。並行して、スタートアップ企業Anon Inc.にてCSFO(Chief Sci‐Fi Officer)を務め、多くのSFプロトタイ

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