ロマンポルノと実録やくざ映画 禁じられた70年代日本映画 平凡社新書

樋口尚文

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582854763
ISBN 10 : 4582854761
フォーマット
出版社
発行年月
2009年07月
日本
追加情報
:
18cm,319p

内容詳細

邦画界が「洋高邦低」の冬の時代に突入した70年代は、ロマンポルノと実録やくざ映画の全盛期でもあった。その多彩な映画表現は、今日の邦画界の去勢を衝いて余りあると、熱く説いた稀書。

【著者紹介】
樋口尚文 : 1962年生まれ。映画批評家。早稲田大学政治経済学部卒業。大手広告代理店のクリエーティブ・ディレクターとして多数のテレビCMを企画・制作するかたわら、『キネマ旬報』などで批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ホークス さん

    凋落極まった1970年代の邦画界は数々の怪作奇作を生んだ。その精髄をポルノと実録やくざ物中心に、アクションやオカルト物まで語り尽くした一冊。レビューの他、制作の背景、監督や俳優の評価、時代的価値など、映画に詳しくなくても面白い。著者の少しニヒルな語り口と厭世観はこのテーマに合う。私は当時十代。この年になって理解できた嬉しさもあり、貧困で粗暴な空気感もリアルに思い出せた。人間の業は悲惨と美の源泉で、潔白な者など居ない。1970年代の邦画に満ちた反逆性は、停滞の気配が広がる度に蘇ってくるのかも知れない。

  • kinkin さん

    70年代に制作された映画、大作ではなく、実録ヤクザ映画やロマンポルノといった当時は一般向けとはいえない映画について書かれている。タイトルを読むととても猥雑で隠微さがある反面、おおらかさにもとれることに気づいた。ネット社会の今、その利便性と同時に、いつでもどこでも誰にでも、自ら足を運んで劇場に行くという行為なしにもっと過激で残酷な動画や画像を閲覧することが出来る。学生運動などの衰退とともにこうした映画は、当時のガス抜き的な役割もあったのかもしれない。今より、まだまだ先が明るい時代だったことを思いだした。

  • ヒデキ さん

    今回は、タイトルしか聞いたこともない作品やタイトルも知らない作品が、多くて今度、vodで探そうと思いました 角川映画の足音が聞こえてきた時代、 いつも2本建てだったよなあと思いながら読んでました。

  • 山田太郎 さん

    乳出しとけばあと何やってもいいみたいなめちゃくちゃな状況なんで、すごい混沌としたというか面白いな。タイトルだけでも笑えるというか。でも、あらすじ知ってれば見てみようかとあんまり思わないなと。通勤電車でカバーもせずに読んでましたが、あんまり人前で読む本じゃなかったなと。温泉みみず芸者はバンドするなら、このバンド名がいいかなと。

  • HERO-TAKA さん

    近年に逆転するまで続いていた「洋高邦低」。70年代には、日本の映画産業は斜陽にさしかかっていた。打開策のひとつがセックスとバイオレンスを見せ場とした中小作品の提供。この場でタイトルを書くのも憚られる、ただただ俗悪な作品があるなかで、特異な面白さを獲得した作品も存在した。現代では絶対に期待できない、昭和の日本だからこそ生まれ落ちた作品をご覧あれ。

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樋口尚文

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。映画評論家、映画監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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