赤ちゃんポストの真実

森本修代

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784093887724
ISBN 10 : 4093887721
フォーマット
出版社
発行年月
2020年06月
日本
追加情報
:
320p;19

内容詳細

慈恵病院(熊本市)が開設した「赤ちゃんポスト」は“命を救う”という理念のもと、理解を広げてきた。だが、実際の運用は想定外の連続である。2019年3月までに預けられた144人中、病院が想定した早期新生児は76人。残りの約半数が、ある程度育った赤ちゃんだった。開設第一号は3歳児だ。障害児や外国人の赤ちゃんもいる。出産状況が分からないため医療者の負担も大きい。育った子は「出自を知る権利」を持ち合わせていない。さらに同病院は19年末、妊婦が匿名のまま病院で出産できる「内密出産」も導入した。いずれも国の法整備は追いついていない。開設されて13年―赤ちゃんポストが日本社会に問いかけたものとは何か?「命」を巡るノンフィクション。

目次 : 序章 罪の意識/ 第1章 命を救う/ 第2章 市長の葛藤/ 第3章 想定外/ 第4章 出自を知らない子どもたち/ 第5章 抑止力/ 第6章 世界のポスト/ 第7章 理事長との対話/ 第8章 神の手と呼ばれて/ 第9章 内密出産/ 第10章 メディアと検証/ 終章 真実告知

【著者紹介】
森本修代 : 1969年熊本県生まれ。静岡県立大学在学中にフィリピン・クラブを取材して執筆した『ハーフ・フィリピーナ』(森本葉名義、潮出版社、1996年)で、第15回潮賞ノンフィクション部門優秀作。1993年熊本日日新聞社入社。社会部、宇土支局、編集本部、文化生活部編集委員などを経て、現在、編集三部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • がらくたどん さん

    ボーイフレンドとの性交の結果「予期せぬ」妊娠に孤立を強いられ自死しかけた少女が一時退避と相談の場を持てたことで幼いなりに考えを整理してゆく物語を読んでいる時に丁度熊本での内密出産の報道があった。本書は熊本慈恵の「ゆりかご」開設から15年(初年度に保護された子供たちは思春期を迎える)を経た現在から俯瞰した「ゆりかご」報道の検証。出自の認知を含めた子供の権利・妊娠における母子の権利と男性の責任・妊娠可能年齢に達した少年少女への教育の在り方。本来なら15年前の一石から自分たちが考えるべきだった点が示される。

  • まるほ さん

    【とても真摯なルポタージュ】平成19年、熊本県の慈恵病院に設置された「こうのとりのゆりかご」という名の“赤ちゃんポスト”。県内で発生した新生児遺棄事件をきっかけに、一民間病院が新生児の命を救う目的を第一に設置したもの。この功罪を深く掘り下げる。▼この病院の理事長の理念・信念は素晴らしい。しかし理念は素晴らしくても、現実にはそれだけでは済まないことも多々ある。新生児の命か、遺棄された子の福祉か、これは二者択一の問題ではない。だからこそ難しい。赤ちゃんポストは、決して美談100%のものではない。(続)

  • 読特 さん

    「赤ちゃんポスト」の成立経緯、前例や海外事例、法的解釈、託された子供の扱い、利用実績など一気に知ることができた。聖域に扱われ批判する報道がなされていないという事情も分かった。本書では、その状況を打破すべくあえて不都合な事実をぶつける。「想定とは違う利用のされ方」「子供の出自を知る権利を奪っている」「命を助けたというデータはない」「発祥地であるドイツでは廃止勧告が出ている」…望まない出産でも生まれてくる子には罪はない。否定するのが目的ではなく議論を巻き起こすのが狙い。様々な問題も認識しなければ先に進めない。

  • ピップ さん

    「命を救う赤ちゃんポストは本当に命を救っているのか」をテーマとしたルポ。「命を救うこともあり捨てられることもある」「命を救っても人生は救わない」というのが感想。内容が反対寄りなのは、詳しく調べるほど素直に賛成できない施設なのが原因かな。命が絡むと思考停止してしまう風潮の中、これだけ踏み込み誠実に取材した本は貴重。ポスト使用を前提とした孤立出産件数の多さと、福祉に携わる人ほど反対意見が多いことには驚いた。ただ、ポストのおかげで悩める妊婦の相談件数が飛躍的に増加した。これだけはものすごい功績なので賞賛したい。

  • ちえ さん

    熊本日日新聞記者としての取材がベースになっている。赤ちゃんポストのことは「赤ちゃんの命を助けるため病院が設置している」というくらいの知識しかなかった。この本を読んで考えてもみなかったことが沢山書かれていて混乱している。病院が「匿名」を謳っていても、入れられた子は警察と児童相談所に連絡され戸籍法上「棄児」として扱われる。児相は一時保護し身元が分からない場合親を探す。見つかった場合、親が自分で育てる意思を示すこともあるが「(赤ちゃんポストは)匿名ではないのか」と認めない場合もある。保護された子供は名前がない↓

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森本修代

1969年熊本県生まれ。ジャーナリスト。静岡県立大学在学中にフィリピン・クラブを取材して執筆した『ハーフ・フィリピーナ』(森本葉名義、潮出版社、1996年)で、第十五回潮賞ノンフィクション部門優秀作。1993年熊本日日新聞社入社。社会部、宇土支局、編集本部、文化生活部などを経て、2022年退社。現在

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