黒猫の接吻あるいは最終講義

森晶麿

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152092977
ISBN 10 : 4152092971
フォーマット
出版社
発行年月
2012年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
森晶麿 ,  
追加情報
:
289p 19cm(B6)

内容詳細

黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する悲劇が起きていた。ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つの事件の関連を気にする付き人。しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった。仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…ジゼル、ガラスアート、ポオを絡め、二度の事件を結ぶ図式が見えたとき、黒猫の最終講義が始まる―。

【著者紹介】
森晶麿 : 1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第一回アガサ・クリスティー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 優愛 さん

    バレエ、演目はジゼル。5年前と同じくバレリーナが死亡する悲劇が起こった――黒猫の秘密、ガラスアートの塔馬とプリマの関係。これらの図式が見えると同時に始まる黒猫の最終講義。小学生の頃バレエを習っていた時の記憶が甦りました。「かけがえのないものの隣で見た景色は、合わせ鏡のように永遠に続く」ようやく好意を伝えた言葉でさえ美学を思わせるような繊細な言葉選びが素敵。長編だったこともあり短編だった以前より二人を深くまで知ることが出来たような気がします。不思議な世界観を持つお気に入りの作家さんがまた一人増えました。

  • kishikan さん

    黒猫シリーズを読むまで、美学なる学問があるとは知りませんでした。その美学をキーにした森晶麿さんのミステリ第2弾。今回のモチーフはバレエ。美学講義と謎解きそして恋の要素が絡み、素敵なカクテルになっています。森博嗣さんのS&Mシリーズを彷彿させる内容で、文章は非常に美しく(時に可愛らしく)僕の好みなのですが、殺人事件の仕掛けが偶然に左右される内容なので、ミステリとしてはいまいち。とはいえ、キャラクター設定、巧みな構成、会話の妙など、魅惑の物語。タイトルから最終巻と思っていたら続巻があるようで期待大ですね。

  • のいじぃ さん

    読了。ポゥの大鴉からある女性の分離、バレエの「ジゼル」など。直感は遊感であり常に可動するもの、その中で掴む神様の与えたもう閃き、そして優美。イメージの答えを確認することは出来ませんが他作者の「黒猫の三角」の彼を連想しました。純粋な妄執、ガラスの可視化、テレイドスコープの先についているのもガラス。読み手にとっての2人は作中の苺パフェ、鏡のような構図、面白いと思う反面、今作は付き人である彼女が少し踊らされ過ぎですかね、部品とはいえ。最近、生と死にまつわる重い読み物を選んでくる自身の小人にも少々問いたいことが。

  • あつひめ さん

    今回は、付き人の感情に私も流されながら読み始めてしまったので、謎解きの方は後回しになってしまった。アーティストの持つ心の精細さは一般人では理解しがたいものがある。どこまでが許せてどこからが許せないのか。それでも、この物語の良いところは死にも美しさがあると言うか血が流れているのにそれも演出の一つに加えてしまうような作風だからかもしれない。前回よりも付き人の心は黒猫へ乙女心を寄せていることを明白にしている。黒猫もわかっていて突き放すこともなく抱き寄せるでもなく。それがこの黒猫の愛情表現なのかもしれない。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    美の観点から見た「ジゼル」の解釈、「秘すれば花」の如き美、「ガラスよりもガラス」という実物よりも本質であることで見出せる美。人を愛する=執着することによって得るドロドロとした感情(=ガラス)を全て経験し、人としての一線を越えて人としての軛から解放されることによって「ジゼルとしての美」が完成したということでしょうか?バレリーナが役を放擲した舞台さえ美の研究対象となるというところが学問の点で興味深いところです。色々とうっかりしすぎな付き人が学者として進んでいく黒猫との差を実感するところが切ないです。

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