基本情報
内容詳細
本書は1962年に刊行された宇野亞喜良と横尾忠則のコラボレーション絵本の復刻版です。
日本デザインセンターで同時期に仕事をしていた若き二人は、絵本を企画。同社の先輩であるコピーライターの梶祐輔に文章を依頼しました。
地図にもない外国の港町の祭りの日、白いヨットに乗って現れた少女と出会った物語は、赤と黒で印刷された横尾の絵から始まり、本の中央に近づくにつれ、青で印刷された宇野の絵と重なり、やがて青と黒の宇野の絵で終わります。赤、青のセロファンを重ねることで、どちらかの絵と文字が消え、一方が浮かび上がる。梶祐輔による多重の物語が実験的なデザインで表現されました。
1962年に刊行、現在は幻となっていた絵本の復刻です。
赤と青のカラーセロファン、解説シート付き。
《著者情報》
梶祐輔(カジユウスケ)
コピーライター。1931年大阪府生まれ(2009年没)。早稲田大学文学部仏文科卒業。電通を経て、1960年日本デザインセンター創立に参加。約40年間にわたり、第一線の広告クリエイターとして、アサヒビール、野村証券、トヨタ自動車などのコピーライティングや、国鉄民営化に伴うJRマークのCIディレクションなどを手がけた。日本デザインセンター最高顧問。東京コピーライターズクラブ会員、東京アートディレクターズクラブ会員、日本広告学会監事。後進の教育にも力を注ぎ、朝日広告賞審査員、毎日広告デザイン賞評議員、日経広告賞審査委員などを務めた。
宇野亞喜良(ウノアキラ)
イラストレーター、アートディレクター。エッセイ、舞台美術、キュレーションも手がける。1934年名古屋生まれ。寺山修司の「天井棧敷」のポスターなど日本グラフィック界のカリスマ的存在であり、ノスタルジックで絢爛華麗な作品を生み出している。写実的なポートレートや時代小説の挿絵で見せる躍動感あるタッチなど表現の幅は広く、近年は少女モチーフの人気が高い。絵本に『あのこ』(今江祥智/文)、作品集に『宇野亞喜良クロニクル』など。絵本、イラストレーション分野の受賞のほか、1999年紫綬褒章、2010年旭日小綬章、2015年読売演劇大賞選考委員特別賞など。
横尾忠則(ヨコオタダノリ)
美術家。1936年兵庫県生まれ。1972年にニューヨーク近代美術館で個展。パリ、ヴェネツィア、サンパウロなど各国のビエンナーレに出品し世界的に活躍。アムステルダムのステデリック美術館、パリのカルティエ財団現代美術館、東京都現代美術館、東京国立博物館など国内外の美術館で個展を開催。著書に小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)、小説『原郷の森』ほか多数。2012年神戸に横尾忠則現代美術館、2013年香川県に豊島横尾館開館。2011年旭日小綬章、朝日賞、2015年高松宮殿下記念世界文化賞、2023年日本芸術院会員、文化功労者。
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