私の男 文春文庫

桜庭一樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167784010
ISBN 10 : 4167784017
フォーマット
出版社
発行年月
2010年04月
日本
追加情報
:
16cm,451p

商品説明

【直木賞受賞(第138回)】

消費されて終わる恋ではなく、人生を搦めとり、心を縛り支配し、死ぬまで離れないと誓える相手がいる不幸と幸福。
優雅で惨めで色気のある淳悟は腐野花(くさりのはな)の養父。物語はアルバムを逆から捲るように、二人の過去へと遡る。震災孤児となった十歳の花を若い淳悟が引き取った。空洞を抱え愛に飢えた親子には、善悪の境も暗い紋別の水平線の彼方。そこで少女を大人に変化させる事件が起き……。黒い冬の海と親子の禁忌を、圧倒する恐さ美しさ、痛みで描ききる著者の真骨頂。

内容詳細

落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。

【著者紹介】
桜庭一樹 : 1999年、「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市ロンリネス・ガーディアン』)で第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選。2003年開始の“GOSICK”シリーズで多くの読者を獲得する。04年に刊行した『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価されて注目を集める。07年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を受賞。08年『私の男』で第138回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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「おまえは俺のもの」「血の人形だ…」と平...

投稿日:2021/04/17 (土)

「おまえは俺のもの」「血の人形だ…」と平然と言えてしまう淳悟がおぞましい。が、それを受け入れる花の気持ちもわからなくはなかった。はっきりと断言できるのは、花が男の必要とするものを与え続けられる、日本人女性の特徴をとらえた普通の人間だということだ。

華 さん | 東京都 | 不明

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インパクトがあるタイトルとそれに負けない...

投稿日:2021/04/11 (日)

インパクトがあるタイトルとそれに負けないショッキングな内容の物語です。メイン登場人物は10歳で孤児となった花とその義父となった淳悟。親子と言えども年齢差は15歳で、花が大人びているからもっと近い存在に見えますね。そんな二人の愛と禁忌を描いていて、花の結婚の場面から過去に遡る形式で進んでいきます。正直好き嫌いが分かれる作品だと言えますし、よく直木賞を受賞できたなって思います。まあ私は結構、好きな作品というか桜庭一樹さんの文章自体が好きなんですよね。ライトノベルで書かれていた時からのファンなので、暗く悲しい雰囲気に包まれていますがいい作品です。

イック さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちょこまーぶる さん

    普通の家庭・家族の愛が希薄な二人の生活が、読み始めでは否定的にしか思えなかったが、読み進めるうちに二人の純粋な感情や寄り添うべき存在の重さが伝わってきて、この話は否定的に読んではいけない作品であろうという思いさえ抱かせた点では、読む側の純粋な価値観を覆えさせられる作品であった。そして、10代の花が淳悟の実子だった事を匂わせる先輩の言葉の真実は深く語られていないところ等に恐ろしい作品であるという印象を持った。また、驚いたことに、以前数年住んでいた町が作中の舞台となっていて情景を思い出しながら読めた作品。

  • Atsushi さん

    娘を持つ自分にとって、本作の父娘の禁断の愛は受け入れ難かった。欠損家庭で育った淳悟が花に求めたものは、やはり「家族の愛情」だったのだろうか。もうすぐ夏季休暇、祖父母の眠る墓参りに行こう。「血の繋がり」を確認するために。第138回直木賞受賞作。

  • おしゃべりメガネ さん

    ついにというか、やっとというか・・・とにかく読んでしまいました。直木賞受賞作ですが、かなり異色な作品かなと感じました。読み始めたら、止まらずイッキ読みでした。おもしろいとか云々ではなく、常にダークサイドな世界観はハンパなかったです。ずっと陰鬱というのか、何か裏があるんじゃないかという猜疑心がずっと付きまとい?ます。何よりも特筆すべきは、主人公「花」と養父「淳悟」の愛情表現がスゴかったです。ただの三流な性描写だけではなく、決して美しいとは言い難いながらも、二人の‘戯れ’はある意味、芸術で映画が気になります。

  • hiro さん

    桜庭さんは赤朽葉毛毬や七竈のように、いつも主人公には変わった名前をつけるが、この作品の主人公も、腐野花(くさりのはな)という女の子にはかわいそうな名前だ。この作品は六章からなっているが、各章は、花、花の夫の美郎、花の父の淳悟、花、淳悟のかつての恋人小町、花と、語り手がかわりながら、二人の時代をさかのぼっていく構成となっている。読者は親子の秘密に徐々に気づき、嫌悪感を感じながらも、先が読みたくなり、そして、ところどころ謎は残しながら、この親子の関係が徐々に明らかになってくるという構成は、たしかに見事だった。

  • ソルティ さん

    こんなに不快で読むのが辛い話は初かも。文章とか構成は素晴らしくてするすると伝わってくるけど内容が全く共感できません。花と淳悟が家族になったのは良いとして、2人の足りないものを埋める心情や行動が⋯。でもそういうことって表には隠されててもある事なのかも知れませんね。闇な感じでした。「年上の、力強い女の人に対して、僕は苛立ちと尊敬が入り混じった複雑な感情を抱いたのだった。弱いところを見せられるたびに、だから、だんだん、つまらなくなってきてしまう。」「「親父さん、でもさ、欠損のない人間なんていませんよ」」

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