日本の宇宙開発最前線 扶桑社新書

松浦晋也

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594095741
ISBN 10 : 4594095747
フォーマット
出版社
発行年月
2024年07月
日本
追加情報
:
256p;18

内容詳細

「なぜ日本では「スペースX」が生まれないのか?
そこには、山積する日本の行政機構ならではの問題点があった!」
日本はどこで世界に遅れを取ることになったのか。そのなかでも活かすべき日本の宇宙技術の強みとは。
そして、これから学ぶべきイーロン・マスクの「狂気」の正体とは──気鋭の科学ジャーナリストが記す、「科学技術立国」日本の現状と、復活への処方箋!

2024年2月17日、日本のあらたな主力ロケットとして開発された「H3」の2号機がはじめて打ち上げに成功した。遡ること約1年前の2023年3月の初号機打ち上げでは2段エンジンに着火せず失敗。搭載した地球観測用衛星「だいち3号」を喪失する結果となった。JAXAや三菱重工などは原因究明と対策を1年の時間をかけて講じ、2号機打ち上げに成功する。当初2020年初号機打ち上げ予定として開発が計画されたH3は、3年遅れでようやく実用化に目途がたったのだった。
 しかしH3の遅れは3年だけではない。じつは、10年近いのだ。
成功率9割超を誇ったH -IIAの後継は、2008年、遅くとも2010年くらいには開発を始めるという前提で動いていたが、着手にも遅延が発生したのだ。実際にスタートできたのは2014年。

 2000年代から10年代は、世界ではさまざまなスペースベンチャーが勃興する時代であった。たとえば、イーロン・マスクが興したスペースXは大胆不敵な発想でファルコン9の開発と商業利用に成功する。背景にはソ連崩壊とスペースシャトル計画に端を発する、アメリカをはじめとする諸外国で起きた宇宙開発を「官から民」へチェンジする流れがあった。それが、イーロン・マスクの宇宙への情熱と狂気を育む下地となったのだ。

 一方日本はそのとき、なにをしていたのか。
 内閣府が主導した体制改革、そして文科省と経産省の権限争いであった。

本書では、なぜ宇宙開発が「官から民」へと変化することになったのか、それでいったいなにがかわったのかを読み解きながら、並みいるスベース・ベンチャーのなかでいかにスペースXが宇宙開発の牽引役となっていったのかを分析。そのうえで、日本の宇宙開発行政はどういう今後どうしていくべきかを探っていく。
 

【著者紹介】
松浦晋也 : ノンフィクション・ライター。宇宙作家クラブ会員。1962年東京都出身。日経BP社記者を経て2000年に独立。航空宇宙分野、メカニカル・エンジニアリング、パソコン、通信・放送分野などで執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • きみたけ さん

    面白かった。著者は、宇宙作家クラブ会員でノンフィクション・ライターの松浦晋也氏。ロケット技術においても衛星技術においても世界から遅れを取った日本、ここからどう巻き返していくべきか。世界各国における宇宙民営化の歴史を概観しつつ、日本が技術革新をリードできる可能性について探った一冊。前半はほぼスペースXの内容で、後半は日本の宇宙開発体制の振り返りと今後の展望について語っています。あらためてイーロン・マスクはスゴいなと思いました。

  • つかず8 さん

    オーディブル。本のタイトル的には、日本の話が中心になるはずなのにイーロンマスクのスペースXが凄すぎて、半分くらいはその話だった気がする。日本の宇宙産業としては、戦後にロケット開発をGHQから事実上禁止されて遅れを取ったものが、80年経っても遅れを取り返せないでいる。宇宙さん開発の成り立ちを時系列で教えてくれるのは良かった。ロケットの技術開発として文科省と軍需として官邸が主導権を争っていた。今後の未来としては、アメリカと3周遅れの状況なので国が後押しして追いつくのはかなり難しい。ホリエモンが関わっている

  • Ezo Takachin さん

    日本や、欧州、NASAがもたもたしている間に、スペースX社が失敗を重ねながらも着実に実績を積み重ねて来たことがよく分かった。衛星ビジネスやISS(国際宇宙ステーション)への人員往復など欠かせない企業となっている。日本は今後H3の着実な実績の積み重ねが重要となってくる。

  • hiyu さん

    タイトルからもう少し違った内容を期待してはいた。だが、こうして読んでみると狂気という指摘は素直に受け入れられる。それにしてもうまくいかない、遅れている理由が本書で指摘されているものであるとするのであれば、嘆かわしいと思わざるを得ない。

  • 倉屋敷?? さん

    改めてスペースXのすごさがわかる。 というかイーロンマスクの執念がすごい。 火星移住計画は単純に興味あるし是非今後とも頑張ってもらいたい。

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松浦晋也

1962年東京都出身。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。日経BP社記者を経て、航空・宇宙関係を専門とするノンフィクション・ライターとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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