運命の子トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語

松永正訓

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784093965279
ISBN 10 : 4093965277
フォーマット
出版社
発行年月
2013年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
220p;20

内容詳細

染色体異常による症例・トリソミーの新生児は奇形を伴い、短命の宿運にある。
トリソミーの我が子を受け入れ、子を授かった意味を懸命に探る両親に出会った小児科医の著者は、自らの生命倫理観を見直し、再構築する。

【著者紹介】
松永正訓 : 医師。1961年、東京都生まれ。1987年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。小児がんの遺伝子研究により医学博士号を修得。日本小児外科学会より会長特別表彰(1991年)など受賞歴も多い。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。本作にて2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ころりんぱ さん

    頭の中を単語がぐるぐる回る。トリソミー、染色体異常、ダウン症、出生前診断、羊水検査、奇形、人工呼吸器、心身障害…どれもこれも知っている。知っているのに、知らないことばかり。当事者でないから。多くの人は喜びとともに赤ちゃんを迎える。なのに、その瞬間から、短命という運命を背負い、いつ消えるかもわからない命を授かる親がいる。こういうこともあるってこと、もっと知られていていい気がする。誰もが我が事に置き換えて考えられるようになったら、人に優しい社会になるんじゃないかと思う。感想を言葉にするのは苦しいな。

  • やっち@カープ女子 さん

    読んでいる間、ずっと心の葛藤だった。トリソミーの子の治療、生命論理。すごく重いテーマだが、著者の家族について書く文章で優しく温かい気持ちが伝わって来た。そして最後の朝陽くんとお母さんの写真で救われ、感動した。命は尊い。

  • とらこ さん

    読友さまのレビューを見て手に取りました。タイトルから受ける通り、短命の定めを受けたトリソミーの赤ちゃんのお話。赤ちゃんの人生、そして親の人生が丁寧に書かれていました。短命だと分かっているのだから、積極的な手術や治療はあまり選択しない方針の医師達。しかし告げられた命の長さよりも逞しく成長する彼らに親たちは励まされ愛しく思い、辛い日々に立ち向かいながら奮闘する。『彼を産むために自分は生まれてきたと思う』と言った母親。誕生と死が同時に訪れた赤ちゃんをカンガルーケアする母親。命の尊さを感じる作品でした。

  • ピース さん

    出生前診断で障害がわかると盛んに報道され、なぜ障害を持った子が否定されているのでしょうか…という桂子さんの言葉にハッとしました。なぜ この検査が必要とされ、確立されるのか?これは医学が発展して可能になったものです。本来であるならば分からなかったこと。人は今よりさらに知りたい、さらに良くなりたい…など常に欲求があります。命が作られる過程にまで踏み込んでいる医学。助けられることもあれば、逆に苦しめられることもあります。肯定も否定も出来ませんが、踏み込んで良い領域だったのか?という疑問は消えません…

  • さく さん

    生まれた時から短命である定めの、染色体異常の子ども。彼らを育てるって、どういうことだろう。いつ、障害を受け入れるんだろう。そういったことを、小児外科医である著者が障害を持つ子を育てる親に聞き取り、本にした。短命な子だからこそ一日一日が大切で、けれど短命なんてことは考えたくなくて、でもその子を残しては死ねなくて。相反する思いがある中で子どもの生まれてきた意味を見出し、それぞれに幸せの形を見つけている。誕生死した18トリソミーの子の話はとても悲しかった。出生前診断の是非など、考えさせられた。

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