畏るべき昭和天皇 新潮文庫

松本健一著

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101287324
ISBN 10 : 4101287325
フォーマット
出版社
発行年月
2011年01月
日本
追加情報
:
16cm,422p

商品説明

二・二六事件、第二次世界大戦、GHQによる占領……。その時、昭和天皇は如何なる決断を下したのか。知られざる内面を描く渾身の論攷。

代表的日本人100人を選ぶ座談会で、昭和天皇を「畏るべし」と評した著者。二・二六事件、第二次世界大戦を経験した人物は、如何なる思いでその座に就いていたのか。北一輝との関係、「あっ、そう」に込められた意味、「天皇陛下万歳」と死んでいった三島由紀夫への思いなど、今なおベールに包まれた素顔を探る。日本人の根柢をなす、天皇制の本質にまで言及した、著者渾身の論攷。

内容詳細

代表的日本人100人を選ぶ座談会で、昭和天皇を「畏るべし」と評した著者。二・二六事件、第二次世界大戦を経験した人物は、如何なる思いでその座に就いていたのか。北一輝との関係、「あっ、そう」に込められた意味、「天皇陛下万歳」と死んでいった三島由紀夫への思いなど、今なおベールに包まれた素顔を探る。日本人の根柢をなす、天皇制の本質にまで言及した、著者渾身の論攷。

目次 : 記憶の王/ “御聖断”とは、何か/ もう一つの“御聖断”/ 大東亜戦争と国際法/ 「カゴの鳥」からの脱却/ 天皇の「私の心」/ 立憲君主の激怒/ 「統帥権干犯」問題/ 天皇の戦争責任その一 近衛との確執/ 天皇の戦争責任その二 「常なる心(コモンセンス)」/ 天皇の戦争責任その三 陸軍を抑える最後のチャンス/ 天皇制下の民主主義その一 敗戦前後/ 天皇制下の民主主義その二 外の文明を受け入れつつ/ 天皇制下の民主主義その三 マッカーサーを押し返す/ 権力の彼方へ

【著者紹介】
松本健一著 : 1946(昭和21)年群馬県生れ。作家、評論家。東京大学経済学部卒。現在、麗澤大学教授。評論、評伝、小説など多方面で執筆する。『評伝 北一輝』等で、2005(平成17)年度の司馬遼太郎賞と毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 鐵太郎 さん

    「記憶の王」である昭和天皇の生涯を描いた本に、なぜ天皇への思いを叩きつけた三島由紀夫の名が全くないのか、という話から始まり、昭和天皇を茶化すネタとして定番の「あっ、そう」という言葉はなにを示すのかが語られます。そして激動の時代の中で、判断を下さない優柔不断と陰で囁かれながら行ったことが綴られます。明治の優れた政治センスを持った側近なしで政治を見通し、冷静適確で迅速な判断を行いながら韜晦していた姿。議会制民主主義を標榜しながら天皇を頂点とする日本を戦後作り上げた行動力。なるほど、だから「畏るべき」なのか。

  • greenman さん

    本書を読むと昭和天皇という人物は大変したたかで、また政治的配慮を忘れない人だというのがわかる。戦前は大元帥服を着て祭られ、戦後は背広姿で象徴としての天皇の役割を果たした。しかし性格というか態度というのは戦前も戦後も一貫していたそうに感じる。とくに昭和天皇は政治的決断を下せないことを一番嫌い、それは戦後も全く変わることがなかった。天皇は長らく政治的意見をもたない透明な存在とされてきたが、おそらくすべての政治的出来事に対して意見をもっていたのだということがだんだんわかってくる。

  • 熱東風(あちこち) さん

    連綿と続いてきた天皇家。清濁併せ呑むその歴史をバックボーンに、全てを受け入れ、負けをも勝ちと転ずる…それが昭和天皇だ、と本書を読んでそういう解釈を私はしました。まさに「恐るべき」ではなく「畏るべき」。生前は何となく「優しそうなおじいちゃんだなぁ」という能天気な印象を抱いていたのですが、見方が変わりました。/来年(平成31年;西暦2019年)、退位なさることが決まっている今上天皇、近頃は晩年の父帝に雰囲気が似てこられたなぁと拝察しているのだが、このお方は将来、どんな称され方をするのだろうか。

  • moonanddai さん

    最初エリザベス女王と乾杯をする天皇の口絵写真を見たとき、特に何も感じませんでした。ああこういうときも、天皇の歴史の一ページあった…、と。でも、その間に真崎通訳官が立っている意味を読んだとき、多少うろたえました。2・26は単なる、あるいは狂信的な軍部クーデタで、天皇の断固とした判断があった事件だとばかり思っていました。しかし、それが天皇の心の棘だったという。確かに、その思想的な背景の北一輝にせよ、蹶起の動機にせよ(表現の適否はあると思いますが)思想としては「共和的」だったのかもしれない。MMM

  • nagoyan さん

    優。昭和天皇が三島を意識していたはずと推理し、そのうえで三島の「などてすめろぎは人間となりたまいしか」を積極的に黙殺したとする。三島に現れた「美」=原理としての天皇を拒絶し、政治的君主=「立憲君主」としてふるまう昭和天皇の政治行動、戦争指導を通じて戦前だけでなく戦後もを貫通する日本国家の姿を凝視する。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品