オランダ風説書 「鎖国」日本に語られた「世界」 中公新書

松方冬子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121020475
ISBN 10 : 4121020472
フォーマット
出版社
発行年月
2010年03月
日本
追加情報
:
18cm,216p

内容詳細

日本人の海外渡航を禁じた江戸幕府にとって、オランダ風説書は最新の世界を知るほぼ唯一の情報源だった。長崎出島を舞台に、鎖国の200年間、毎年続けられた世界情報の提供の実態に迫る。

【著者紹介】
松方冬子 : 1966年(昭和41年)、東京都に生まれる。東京大学史料編纂所准教授。1988年、東京大学文学部卒業。1993年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ホークス さん

    江戸時代を通じ貴重な海外情報だったオランダ風説書。17世紀はポルトガルや中国としのぎを削り、19世紀はイギリスに追い詰められながら、必死の情報操作で切り抜けるオランダ。その過程は風説書に克明に記されている。欧州で没落していく母国の実状を商館長(カピタン)はひた隠す。通詞(通訳)たちは忖度能力を発揮し、幕府に言う事、長崎奉行に言う事、内緒にする事を商館長と相談する。幕府も何かあれば騒ぐが、平和だとすぐ緩む。皆が人間くさい。オランダ側の目線から、スリルに満ちたもう一つの歴史を追体験できる。長崎はやっぱり面白い

  • KAZOO さん

    風説書という題名を考えるだけで、風評みたいなイメージを考えてしまいますが、結構内容的にはまともなものであったということなのですね。海外事情をきちんと取得できるところからは取得していく、という姿勢があったことに幕府の情報収集を行なう姿勢はたいしたものだと思いました。ただやはり意図的に削除されたり改竄された部分もあったりしたようです。

  • 崩紫サロメ さん

    本書の帯には「彼らは何でも信じる」と書かれている。これはp.115ページにあるようにオランダ人が日本の海外情報経路を独占しているという自信の表れであった。オランダ風説書はオランダ人の「ささやき」で「悪口」であり、それをどの程度幕府に伝えるかは通詞の裁量に左右された。しかし江戸時代の日本人は「外」に対して全く無知であったわけではない。ある意味、現代社会における「外」についての知識もオランダ風説書によって得られたものに近いのではないかと感じる。

  • こにいせ さん

    これは面白い!当たり!「鎖国」体制を維持したいが、周辺情報は得たい江戸幕府と、イギリス等の「商売敵」を排して利益を独占したいオランダ当局との思惑が合致して生まれた「オランダ風説書」。オランダが情報の取捨選択をしていたり、幕府がオランダ商館長の話を鵜呑みにしていなかったり、繰り広げられている高度な情報交渉は非常にスリリングである。本書は歴史書である、という認識だけでは勿体無い。立派な『メディア論』になっていることを一言申し添えておく。

  • 月世界旅行したい さん

    これは面白い。

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人物・団体紹介

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松方冬子

東京大学史料編纂所・教授。博士(文学)(東京大学)。東京大学史料編纂所助手、同助教授、同准教授を経て現職。同海外史料室にて『日本関係海外史料 オランダ商館長日記』の編纂に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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