ちえもん

松尾清貴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784093865739
ISBN 10 : 4093865736
フォーマット
出版社
発行年月
2020年09月
日本
追加情報
:
448p;20

内容詳細

ささやかな幸せなど、浦から離れられん跡取りたちにくれてやれ。宝暦十三年(一七六三)、周防国の小さな海村で、二人は出会った。廻船屋敷の二男坊と、網元の末っ子―長男が家を継ぐと決まっていたその村で、跡取り以外は皆「厄介」と呼ばれた。日本初の巨大沈船引き揚げに挑んだ男の生涯―。

【著者紹介】
松尾清貴 : 1976年、福岡県生まれ。95年、北九州工業高等専門学校中退。97年までニューヨーク在住。2004年『簡単な生活』でデビュー(『あやかしの小瓶』と改題して文庫化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • のぶ さん

    雑誌の書評でこの本を知り、読んでみたが非常に面白い時代小説だった。主人公は周防の廻船商の村井屋喜右衛門。前半部は地元徳山周辺で、喜右衛門の幼なじみ、吉蔵と鰯の船曳き漁を行っていた。干鰯業で生計を立てていたが、ある時を機会に長崎に進出する。長崎での商売も軌道に乗り始めたある時、長崎湾の沖合で巨大オランダ船が座礁した。オランダ商館は長崎奉行所に積み荷の陸揚げを要請するが、そこで喜右衛門が名乗りを上げる。沈船の引き揚げは成功したのか?喜右衛門の生き様と、引き揚げのプロジェクトが融合した秀作だった。

  • なゆ さん

    読み終えてみると、この村井屋喜右衛門という人はすごい人物だ。はじめはやけに出番の多い吉蔵が主人公かと思ってて、まさか青瓢箪が主人公だったとは。廻船問屋の二男に生まれ、跡取りでなければ厄介者でしかない故郷を飛び出し長崎の香焼島に漁場を開く。最後の最後、ようやく沈没したオランダ船を引き揚げるというクライマックス。そこには関わらざるを得ない事情もあるのに、喜右衛門の案が“余所者”だからと相手にしてもらえないところが私としては非常に悔しかった。最後がいい。表紙は喜右衛門と吉蔵というのがしっくりくる。

  • Willie the Wildcat さん

    時代に即さない規則と、事なかれ主義の閉塞感。大志と大儀を胸に変化に挑む。受け継がれていく「心」が、”代償”にも報いると信じたい。〆でも、これが滲む。「悼み」を踏まえた主人公と多吉郎の志。長崎御目付との評議の場が、どうにもハイライトに感じる。「役者が揃ったなぁ〜」と思わず口に出た。必要悪かどうかは別として、もれなく風穴を開けた胆力。もう1点挙げると、一度役人に拒否されても、日々現場で可能な観察を続けた姿勢も印象的。主人公の哲学を見出す。ここにも、現代人の学びの要素がある気がする。面白かった。

  • TakaUP48 さん

    正直いうと、当初読みずらかった。奉公人以下の廻船問屋の二男坊・喜右衛門はへっぴり腰で力なしだが、「太らずとも知恵で生きていく」と豪語。古い秩序に縛られ硬直している浦に反抗し、故郷に背を向け知恵で財を成していく。新天地・香焼島で干鰯と廻船家業で稼ぐ。抜荷相手の阿蘭陀船が座標。沈船の浮かしに南蛮車(滑車)に目をつけて、無償で船を浮かすと小村の喜右衛門たちが名乗り上げる。巨大船が浮いていくなか喜右衛門は、古い仕来りを打ち破る力を感じたのではないか。小村・香焼島の手柄が認められ、百姓自身の島となる。ほっとした。

  • kawa さん

    江戸時代長崎に沈没したオランダ船を引き揚げたことで有名だと言う周防国の漁民・村井喜衛門を主人公に据えた海洋実録小説。専門的・技術的な描写の部分が解りずらいのだが(引揚げの様子はネットで絵図を確認できた。)、その難点を乗り越えて、当時の貿易都市・長崎の様子や漁民の生活ぶりが次々と興味深く描かれる。

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松尾清貴

1976年福岡県生まれ。95年、北九州工業高等専門学校中退の後、97年までNY在住。2004年小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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