狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線 狼 部隊

松下竜一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309004587
ISBN 10 : 430900458X
フォーマット
出版社
発行年月
1987年01月
日本
追加情報
:
277p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • ハイザワ さん

    とてもいい本ではあるが、大道寺たちの「反日」を徹底するがゆえに自己否定も辞さない苛烈な態度を彼らのレベルで理解するのは難しいように感じる。大道寺の母は息子の持っていた正義感を理解こそすれ、その「反日」にこだわる姿勢は最後まで分からなかったのではないか。極限においては「日本」という自らの存在基盤を滅ぼすしかない、何のロマン的陶酔も存在しない闘争……。ほとんどの人間が日本人であることの原罪を認識しない、あるいは受け入れない(無論自分も)中で、その問題をまともに引き受けた大道寺らを考えることの意味は重いと思う。

  • K.Nagano さん

    Amazonで文庫を見つけての再読だが、はじめてこれを読んでからもう25年以上も経つ。あのときは何だがすっきりしないものを感じて終わった。彼らが訴えた被抑圧民族との共闘は理解できるが、その主張と爆弾闘争という行動との間にあまりにも飛躍があり過ぎないかと思った。いま改めて読み返してみると、やはり彼らの行動に違和感はあるが、祖国に背を向けてまでの被抑圧民族への思いは切実に感じられる。いま、日本はまたあの暗黒時代に戻りつつある。白昼堂々繰り広げられるヘイトスピーチを見て、狼たちは何を思うだろうか。

  • tkgdgbd さん

    思うところがあり、30年振りに再読。ここ数年、主にネット上で大安売りされている「反日」という言葉。45年前”狼“たちは、日本の内部から、日本の企業に搾取されているアジアの民に連帯し、日本にテロを仕掛けた。想像を絶した生真面目さ・ストイックさと覚悟、そして絶望的な愚かさで。まさに、日本に反抗するためその人生を消耗した。大勢の人命を巻き込んで。今、「反日」という言葉に引っ掛かるひとは、左右問わず是非本書を読んでほしい。そして、松下竜一の他の著作も。

  • ネギ さん

    「反日」という言葉は今日完全に単純な罵倒語と化してしまった観があるけれど、60年代・70年代の思想史からもう一度とらえ直してみる必要があるように思う。松下竜一の筆力は圧倒的。対象への内在と、問いかけとの間のバランス配慮に倫理を感じる。「文学」として昇華している作品。

  • uburoi さん

    1986年に「文藝」に掲載されているのだから大道寺将司が「最高裁において1987年3月24日に死刑が確定」する前に発表されたものだ。まだ執行されていないし、もしかしたら宮城刑務所にいるのかもしれない。東アジア反日武装戦線は、何故か仙台に縁が多くて在住しながらカンパ、爆弾の材料提供していた荒井まり子も捕まっている。黒川も仙台出身というんだけど本当だろうか。捕まってからも獄中闘争を続けるという凄まじさ。超法規的措置で妻のあや子さんと佐々木規夫の二人なんかは国外逃亡していまだ活動中だって。

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人物・団体紹介

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松下竜一

1937年大分県中津市生まれ。高校卒業後、家業の豆腐屋を継ぐ。二十代半ばより作歌を始める。69年、歌文集『豆腐屋の四季』を刊行、ベストセラーになる。70年、豆腐屋を廃業し、著述業に専念。72年から「環境権」を掲げ豊前の火力発電所建設反対運動に取り組み、ミニコミ誌「草の根通信」を三十一年にわたって発行

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