「幕府」とは何か 武家政権の正当性 NHKBOOKS

東島誠

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784140912775
ISBN 10 : 4140912774
フォーマット
出版社
発行年月
2023年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
東島誠 ,  
追加情報
:
368p;19

内容詳細

武力だけで権力を維持できたのか?京都を食糧で満たすこと、法による支配、「伝統」としての権力…アップデートされてきた「支配の正当性」を問う、かつてないスケールの歴史書!

目次 : 第1章 平家政権といくつもの幕府(幕府をめぐる基礎知識/ 平家政権をどう捉えるか)/ 第2章 鎌倉幕府、正しくは東関幕府―正統性なき北条氏の正当性(都市王権と武力―一一八六年、鎌倉幕府誕生の前提1/ 義経の結婚―一一八六年、鎌倉幕府誕生の前提2/ 正当性の更新と「幕府」呼称の誕生)/ 第3章 足利将軍家の時代―二つの変動期と正当性の変容(鎌倉末期〜南北朝期の転換/ 統治権的支配とは何か―足利将軍家の正当性/ 足利将軍家の正当性の推移/ 足利政権中期の正当性の変化/ 物流構造の変動と転換期としての十五世紀後半/ 戦国大名と「公儀」の行方)/ 第4章 織豊政権―近世の始動と中世の終焉(近世の始動と中世の終焉/ 中世の黄昏としての織田政権/ 豊臣政権と中世の否定)/ 第5章 江戸幕府は完成形なのか―生存の近世化(生存の近世化という視点/ 正当性から正統性―家康の神格化と近代天皇制の創出/ 曲がり角としての一六八〇年代/ 幕府と「被災者」救済―正当性の行方)

【著者紹介】
東島誠 : 1967年、大阪府生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了、博士(文学)。現在、立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    体制を問わず権力は民衆を服従させるため、強いだけではない正当性を必要とする。武士が既存の政権を倒して生まれた幕府の正当性は、いかにして確保されたのか。治安維持と税収確保の必要性から鎌倉幕府が成立し、これに室町では飢饉や疫病対策が加わったと見る。どちらも社会情勢の変化に対応できなくなって滅び、織豊政権を経て家康神格化による伝統としての権威を確立した江戸幕府に続くとする。ここに至るまで著者は従来の歴史研究や論考の多くを批判し、誤読や誤断を指摘する。これを容認できない読者は、本書の主張を受け入れられないだろう。

  • だまし売りNo さん

    足利義政は土木事業を頻繁に起こし、天皇に叱責された。多数説は天皇を支持し、義政の悪政と評価する。これに対して少数説は、貧民に職を与える雇用創出事業であったと積極的に評価する。しかし、「大規模土木事業を興し、雇用を創出すればするほど、窮民を京都に集める結果となる」(227頁)。後の豊臣秀吉も大規模普請によって雇用創出を図った。しかし、劣悪な労働条件のために負傷して働けなくなり、乞食になった人々が京に充満した。「雇用創出の理想とは逆の結果も生まれた」(289頁)。金を回すことが経済発展とはならない。

  • さとうしん さん

    私にとっては本論にあたる議論よりもその周辺の議論、先行研究や研究史理解に関わる話を面白く読んだ。「マルクス主義史観」を前提とする研究者はもちろん、往時それを批判した研究者も、その時代の外的状況や論調を強く意識していたことが本書からわかる。翻って「マルクス主義史観」的な研究を批判する現在の中堅・若手研究者も、現在の状況や論調から離れて史料に接しているつもりでも、実際にはとらわれしまっているのではないか。そんなことを考えさせられた。

  • nagoyan さん

    優。著者の論旨。誠に鋭い。ふと、妖刀「村雨」を思い出した。著者は列島社会に政治的中心が多元的に存在した可能性を肯定する立場から東国国家論に与するもののようである。が、そこは一筋縄ではいかない風。飢える都市「京都」に食料を保証しえた勢力が正当性を獲得する(「都市王権」論)。血統的「正統」を主張しえなかった鎌倉北条氏は合議制・法による支配(理非)により正当性を主張。足利政権の主従制的、統治権的の二重権力論にも言及。骨太に歴史を描く。が、まぁ、賛否もあるだろう。

  • kk さん

    図書館本。「都市王権」という視座から、各幕府権力の「正当性」や統治の性格・特徴などを論じるもの。論旨を展開していく中、かなりアグレッシブな姿勢で先行学説等を吟味。「そういう議論は学術雑誌とかでやってくれよ」とか感じてしまいましたが、佐藤進一論の下りを読んで、何となく著者のスタンスに共感も。実はこの方、先学の業績等に対してはこの上なく真摯な向き合い方をされてるのかもと感心した次第。他方、例えば14世紀以後を考えた場合、「都市王権」論というのは幕府の「正当性」の分析基準としてどこまで有効なんかな。

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東島誠

1967年、大阪府生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了、博士(文学)。現在、立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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