ゆうじょこう

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784104041046
ISBN 10 : 4104041041
フォーマット
出版社
発行年月
2013年04月
日本
追加情報
:
317p;20

内容詳細

幼くして熊本の廓に売られてきたイチ。廓の学校『女紅場』に通いながら、一人前の娼妓となっていくイチが眼の当たりにする女たちの悲哀。赤ん坊を産んだ紫太夫。廓から逃亡したナズナ。しかし明治の改革は廓にも及び、ついに娼妓たちがストライキを引き起こす…硫黄島から熊本の廓に売られてきた海女の娘イチが見た女たちのさまざまな生を描く連作短編集。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ミカママ さん

    【遊郭部・お題本】冒頭から明るい内容ではないのに、イチの前向きさに救われる。女紅場の鐡子女史と、花魁東雲の存在も心強い。初読み作家さんの村田さん、文中から彼女の信念がふつふつと伝わって来ました。福沢諭吉って、実は...だったんですねぇ。読後感も大変よし。イチには幸せになって欲しい。

  • ちょろこ さん

    けしからん!の一冊。廓ものは惹かれるけれど心に吹き荒ぶような悲哀がつらい。その中で幼くして売られてきた主人公のイチがまさに"小鹿"の名のように跳ね回る元気な明るさに救われた。イチの日記に綴られた真っさらな思いはどれも真っ直ぐストレートに心に伝わり響く。心の結びつきのない交わり、商売道具、どれだけの女性が心を殺し"諦め"を生きていたのだろう。そんな娼妓たちへの深い想いを懐に抱く鐵子さんの姿にもまた救われた。親の借金もけしからん!鐵子さんによって明かされた福沢諭吉の知られざる一面もかなりけしからん!

  • 風眠 さん

    幼くして熊本の遊郭に売られた海女の娘・青井イチ。遊郭にある女紅場という女郎のための学校に通い、文字を学び、計算を学び、綴り方を覚えていく。女の哀しみ、男女の情念、お金など、たどたどしいながらも素朴な文章でイチは日記を綴る。明るく負けん気の強いイチが見る遊郭は、そのキャラクターゆえかドロドロとした印象が薄い。明治中期、社会情勢が変わり遊郭を出て行くイチが最後に書いた日記には、庭の池、台所のかまど等に対する「ありがとう」が書き連ねられている。廓がイチの生活の全てだったのだなと、本を閉じ、ため息ひとつ、ついた。

  • なゆ さん

    明治の世、熊本の遊郭に売られてきた十五歳のイチ。悲壮感漂うかと思いきや、硫黄島育ち海女のイチのノビノビとした素朴さで置かれた状況に馴染んでゆく様に、ぐいぐいと話のなかに誘い込まれる。イチの言葉の訛りが柔らかでコミカルかつ頑固さが表れてて、この話の要かも。女紅場で自分の言葉で書く日記が、イチにとっての息継ぎだったのだろう。花魁の東雲さんと女紅場教師の鐵子さん、二人の師匠によってイチが考え導かれる様子も面白い。遊女とストライキ、思わぬ展開だけど爽快でもあった。あの福沢諭吉がそんな事言ってたの?と驚きも。

  • モルク さん

    明治末期の熊本の遊郭を舞台に、硫黄島から売られてきた15才の少女イチが主人公。文字を知らない遊郭の女たちが学ぶ「女紅場」という言わば学校で、没落した武家から売られてきた元遊女から文字や算術ひいては自分の借金のこと、郭の帳付けの仕組みを学ぶ。いつまでたってもお国言葉が抜けず、あかぬけないイチが可愛らしい。本人の努力、体を売って、身を削って生活しているのに、さらに親が金を借りていき借金を増やす不条理。イチの書く日記は読みにくさはあるが本音が出ていて趣深く引き込まれる。そして、福沢諭吉にはがっかりだ!

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県北九州市八幡生れ。作家。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌『発表』を創刊。1987年『鍋の中』で芥川賞、1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、1998年『望潮』で川端康成賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷

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