猫を棄てる 父親について語るとき 文春文庫

村上春樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167919528
ISBN 10 : 4167919524
フォーマット
出版社
発行年月
2022年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
高妍 ,  
追加情報
:
128p;16

内容詳細

ある夏の午後、僕は父と一緒に猫を海岸に棄てに行った。家の玄関で先回りした猫に迎えられた時は、二人で呆然とした。寺の次男に生れた父は文学を愛し、家には本が溢れていた。中国で戦争体験がある父は、毎朝小さな菩薩に向かってお経を唱えていた―。語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、自らのルーツを綴る。

【著者紹介】
村上春樹 : 1949年、京都生まれ、早稲田大学文学部演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞、82年『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、96年『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、99年『約束された場所でunderground2』で桑原武夫学芸賞を受ける。2006年、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、07年、朝日賞、坪内逍遙大賞、09年、エルサレム賞、『1Q84』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    父親の視点から自らのルーツを探るという着眼点が面白かったです。

  • さぜん さん

    村上春樹が父を語るが、そこには戦争が大きく関わっている。第16師団に所属していた父は毎日仏壇に向かいお経を唱える(寺の息子だった)。詳細は語らず、質問もできなかった。死後、父についての経歴を辿り知りえた事実のみが記され、村上春樹が出来上がる源流を垣間見ることができる。自分に受け継がれているものが何なのか、自分が今ここにいる意味を読みながら同時に考える。自分のルーツを知ることはもはや不可能だが、「ファミリーヒストリー」を見るたびに誰か調査してくれないかなと思う。

  • 広井啓 さん

    再読。初読は文藝春秋掲載時。著者が恐らく初めて父親のことを語ったのが興味深い。歳をとった証だろう。お互い自分を曲げない頑ななところがあり、著者が60歳近く、父親が90歳になるまで、両者は何十年も音信不通だった。著者が虐待されたり、父親が家庭を顧りみなかったわけでないのに、あまりに不仲な父子関係が生じたのは、ちょっと理解し難い。猫に関わる二つのエピソードの他は、父親の戦争体験に多くが割かれている。戦争が両親の人生を変えたに違いないとの記述からは、著者の反戦思想が窺える。ねじまき鳥クロニクルとも相通じそうだ。

  • サンタマリア さん

    村上春樹さんが父親から引き継いだものや引き継がなかったものを知ることができた。今後、彼の作品を読む際の手がかりの一つになるといいな。また、代替可能な僕らにもそれなりの思いがある、というのはすでに僕の糧になる言葉として存在していたが、それを受け継いでいくという考え方はなかった。大切にしたい。以下、気に入ったページ数。未来の僕へ。62〜63,74,114〜115。こういった数字だけの感想は言葉から逃げてる気がして好きじゃないけど、未来の僕に送る物だし、この程度でまぁよしとする。

  • マリリン さん

    猫に始まり猫に終わる著者の父親への想いと回顧のエッセイ。特に淡々と語る戦争体験は小学生の頃一度だけ聞いた話を基に当時の実情がリアルに書かれている。戦地より...「兵にして僧なり月に合掌す」詠んだ句から奥深い心情が伝わってくる。疎遠な時期があってもそこには確かな継承された何かを感じる。親子とは疎遠な時期を経て初めてお互いを理解し合えるものかもしれない。書き記す事で記憶の奥底に眠っていた心情を確かめ噛みしめながら。

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村上春樹

1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。 1979年、『風の歌を聴け』でデビューを飾り、群像新人文学賞受賞。

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