「私」を受け容れて生きる 父と母の娘

末盛千枝子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784103400219
ISBN 10 : 4103400218
フォーマット
出版社
発行年月
2016年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
284p;20

内容詳細

まるで朝ドラのヒロインのような人生です。美智子様の講演録『橋をかける』の編集者が自身の波乱に満ちた半生を綴る自伝エッセイ。

【著者紹介】
末盛千枝子 : 1941年東京生まれ。父は彫刻家の舟越保武。慶應義塾大学卒業後、絵本の出版社である至光社で働く。皇后美智子様との出会いもこの頃だった。8年間、主に海外版の編集に携わり、結婚を機に退社。結婚から11年後に夫が突然死する。夫の死後、G.C.PRESSで再び絵本の出版を始め、最初に出版した本のうちの一冊『あさ One morning』が1986年にボローニャ国際児童図書展グランプリを受賞、ニューヨーク・タイムズ年間最優秀絵本に選ばれる。国内でもサンケイ児童出版文化賞を受賞するなど、話題となった。1988年には株式会社すえもりブックスを立ち上げ、独立。2002年から2006年まで、国際児童図書評議会(IBBY)の国際理事を務め、2014年には名誉会員にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ふう さん

    作者は1941年生まれ。歴史の上でも個人の生活でも大きな悲しみに遭遇し、それでも自身の夢を実現させながら生き抜いてきた女性の、80年の折々が語られています。支えとなったのは家族、勉学や仕事の仲間たち、そして信仰。ある意味では恵まれた環境にいたとも言えますが、誰かのためにできることをやる、他者のために生きるという強い気持ちが原動力となっているようです。それは作中にあった、大震災のあと、壊れた家や海に向かって祈りをささげる僧侶の思いと重なるものかもしれません。

  • ネギっ子gen さん

    遠藤周作から言われた言葉。【人と人との出会いは必ずその痕跡を残す】 舟越保武の長女。兄が舟越桂。高村光太郎が「千枝子」と命名。美智子上皇后の講演録『橋をかける』の出版や「すえもりブックス」などの華々しい成功の陰に、幾多の悲しみがあった――。夫の突然死、息子の難病と障害、移住した岩手での震災など、打ちのめされるような辛い出来事が続いた著者による自伝エッセイ。著者と同じカトリックの連れ合いが「懐かしい」と愛でるように本書を熟読している姿に、“自転車操業”読書に明け暮れている我が身の軽薄さを恥じ入る次第で……⇒

  • どんぐり さん

    彫刻家の舟越保武を父にもつ末盛千枝子さんが、自身の人生の来し方を綴った本。高村光太郎が名付けた千枝子という名前の由来、彫刻で一家8人を養う父親のこと、NHKディレクターだった最初の夫との出会いと死、「すえもりブックス」という出版社の立ち上げと絵本の編集、『橋をかける』の出版をとおした皇后様との友情、「3.11絵本プロジェクトいわて」の活動など、人と人との出会いの痕跡を見つめる。新潮社のPR誌『波』の連載がもとになっている。この種の本は、「人に歴史あり」という発見があって、つい読んでしまう。

  • 布遊 さん

    この本は、1日3〜4ページずつ読んだので、2〜3カ月は掛かったと思う。読むほどに、この本に出会えて良かったと思った。彫刻家の長女で名付け親は高村光太郎と言う末森千恵子の自伝エッセイ。戦争体験や夫の突然死、息子の病気、立ち上げた出版社、再婚、介護等々・・波乱万丈だが、暗さは感じない。タイトル通り、全てを受け入れてきたからだと思う。そして最後は、引っ越した先で1年も経たないうちに東日本大震災に遭遇。その時絵本プロジェクトを立ち上げたのだが、大船渡にも公演に行く。そして今ここで山林火災が・・3.11ももう直ぐ。

  • がいむ さん

    すえもりブックスの末盛さん。決して順風満帆とは言えない人生なんだけど、おそらくご家族や周りの方の支援やあたたかさにとても恵まれている方。がけっぷちになったとき、なかなかこうはいかないな、と思う。皇后さまが登場したりと、だいぶ遠い人生ではあるけど、文章がとてもお上手で淡々と読むことができます。「あおくんときいろちゃん」やブックフェアのお話は興味深かったです。

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