隠れた名君 前田利常 加賀百万石の運営手腕 歴史文化ライブラリー

木越隆三

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784642059336
ISBN 10 : 4642059334
フォーマット
出版社
発行年月
2021年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
260p;19

内容詳細

父利家、兄利長の後を継ぎ、前田家三代当主となった利常。彼はいかにして加賀藩の基礎を揺るぎないものとしたのか。最晩年の藩政改革「改作法」に至る政治過程を解明。「一揆の国」の近世化を達成した生涯と業績を描く。

目次 : 一揆の国の藩政改革―プロローグ/ 藩公儀の立上げ(将軍の聟、藩主となる/ 隠居利長と藩公儀の継承)/ 家中統合と藩政確立(利常親政始まる/ 家中統合と知行制改革)/ 一揆の国での国づくり(分裂する本願寺と広がる寺檀関係/ 伝統信社再興と寺請寺檀制の導入)/ 利常の隠居と四代光高の治績(将軍家との蜜月と隠居/ 辣腕の隠居と光高の治績)/ 改作法の断行(「御開作」仰せ付け/ 「百姓成り立ち」と勤勉の要求 ほか)/ 一揆の国の近世化―エピローグ

【著者紹介】
木越隆三 : 1951年、石川県に生まれる。1974年、金沢大学法文学部史学科卒業。1976年、金沢大学大学院文学研究科卒業。2002年、金沢大学より博士(文学)授与。現在、石川県文化財保護審議会委員・金沢工業大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • MUNEKAZ さん

    加賀藩2代藩主・前田利常の農政に着目した一冊。利常が晩年に行った「改作法」に注目し、農民からの収奪ではなく、農業助成や救済策も盛り込んだインセンティブ型政策への転換を評価する。それは農政を重視した家光政権の意向もあるが、何より「一揆の国」である北陸を治める大大名として、現実的な対応を取ったが故とする。鼻毛を伸ばしたり、陰嚢を晒したりとユーモラスな逸話が多い人物だが、統治者としては飴と鞭を使い分ける冷徹な面が見え隠れする。のちの「仁政」を心掛けた名君たちとは違う、近世初期のリアリストの姿が印象的である。

  • Emkay さん

    利家、利長に次ぐ加賀前田藩3代目・利常の打った政策を中心に、利家入国前の加賀一向一揆の時代から家光の時代に至るまで、300年近くの安定の礎となった経緯を詳述。多くの血を流した一向一揆の凄惨な平定の様子と、その後の経済システムを構築したことは確かにダイナミック。しかし、最も印象に残ったのは、利常の正妻が徳川秀忠の娘であり、利常の嫡子・光高の正妻が家光の養女だったという徳川一門化していたこと。長い江戸期に幕府から言いがかりをつけられて国替やお家取り潰しに遭わなかったのは、多分に運もあったのだろう。

  • アメヲトコ さん

    21年10月刊。前田利家の四男として生まれ、兄利長の跡を継いで加賀藩主となった前田利常の評伝。「改作法」を始めとする初期の藩政改革を、真宗教団の動きとリンクさせて解くという視点が新鮮でした。

  • wuhujiang さん

    表題に前田利常の名があるが、他の人物評伝とは少し趣がことなる。利常の一生を追いつつも、主要なテーマは前田領の一向宗がどのように近世に溶け込んでいったか、また利常晩年の農政改革である改作法に目をむけたものである。広大な領地をもちながら幕末まで存続した加賀藩の礎を築いた人なので、当然優秀な人物とおもっていた。しかし、本書を読むと優秀でも「明君」とは異なり、飴と鞭でも少量の飴で多く鞭をうつような、利に目ざとい政治をした人物と感じた。

  • katashin86 さん

    秀忠-家光期のまだ安定しない幕藩体制の中で、異母兄利長から早々に世代交代した三代利常がいかに近世領国を形成していったのか、家臣統制や農政に着目して論じる。 家中統制に失敗して破綻改易される大名家が続発する時代にあって、「百姓の持ちたる」一向一揆の国を百万石の大藩として維持運営するための、リアリスティックな統治手腕。武の時代の人ではなく、それでいて次世代以降の好学・賢人的な「明君」でもない、意外に見られない個性に興味がわいた。

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