基本情報
内容詳細
なぜスコットランドは、すぐれた文学者たちを輩出してきたのか。先端的研究の成果をふまえ、『オシアン詩』から現代までのスコットランド文学を展望。その特異な風土や文化を背景として生まれた、豊穣な詩的想像力の世界を照射する。
目次 : 上書きされる古代ケルト―『オシアン詩』におけるテクストの多層性/ 伝承童謡「あそこに落とているのはなあに?」の思想史的淵源―ヒュームとスミスの「汎神論的コスモロジー」/ 一七八七年のロバート・バーンズ―スコットランド旅行の意味するもの/ レイディ・ネアンのソングにおけるテーマの変遷―ジャコバイティズムからパトリオティズムへ/ 十九世紀初頭のスコットランド人文学者を支援する読者―聖職者詩人オーグルヴィの予約購読出版/ 叙事詩の創造―ジェイムズ・ホッグ『女王の夜曲』と「羊飼いの暦」/ エドワード・ウェイヴァリーの読書と教育―「歴史小説」における想像力とハイランド表象/ 共同体の再生―ウォルター・スコットの『ガイ・マナリング』/ 十九世紀スコットランド農業労働者たちの歌―ボシー・バラッドの世界/ スコットランドと怪異の伝統―ラフカディオ・ハーンの英文学講義にみるスコットランド文学の怪異/ R・L・スティーヴンソンとスコットランド・ゴシック―『バラントレーの若殿』にみる輝ける悪と怪異ロマンス/ 反逆するスコットランド―J・M・バリ『あっぱれクライトン』ほか/ ジョージ・マクドナルドのファンタジー文学における神話性―内的女性像グレートマザーを探る/ ウィリアム・シャープによる「新異教主義」の追求―『異教評論』を中心に/ ヒュー・マクダーミッド―栄光ある孤立から文化再生の先導者へ/ エドウィン・ミュアのカフカ論―翻訳を通して捧げた賛辞/ はじまりの地に光がさす―ミュリエル・スパークが描く罪人たちのヴィジョン/ キャロル・アン・ダフィ―スコットランド生まれの桂冠詩人/ スコットランド文学におけるグラスゴー表象―現代映画を中心に探る街の変遷
【著者紹介】
木村正俊 : 神奈川県立外語短期大学名誉教授。早稲田大学大学院文学研究科(英文学専攻)博士課程単位取得満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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