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コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う

木村元彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784797674200
ISBN 10 : 4797674202
Format
Books
Release Date
January/2023
Japan

Content Description

ベストセラー『オシムの言葉』の著者、木村元彦が描く
「旧ユーゴサッカー戦記」シリーズの決定版。
旧ユーゴスラビア7つ目の独立国として2008年に誕生したコソボ。
1999年のNATOによる空爆以降、コソボで3000人以上の無辜の市民が拉致・殺害され、臓器密売の犠牲者になっていることは、ほとんど知られていない。
才能あふれる旧ユーゴのサッカーを視点の軸に、「世界一の親米国家」コソボの民族紛争と殺戮、そして融和への希望を追う。サッカーは、民族の分断をエスカレートさせるのか、民族を融和に導くのか……!?

目次より
序章
第1章 コソボのマイノリティ 2006年〜2008年
1 二度と戻れぬ生家を訪ねて
2 2008年 コソボ独立
第2章 黄色い家 臓器密売の現場 2013年
1 黄色い家 カルラ・デル・ポンテの告発
2 臓器密売の現場を追う
3 オシムの思いを受け継ぐコソボサッカー協会会長
第3章 密着コソボ代表 双頭の鷲か、6つの星か
1 セルビア対アルバニア戦 ドローン事件
2 2016年5月 FIFA加盟
3 2016年9月〜10月 ロシアW杯予選密着
4 2019年6月 NATO空爆祝賀式典
終章

【著者略歴】
木村元彦(きむら・ゆきひこ) ジャーナリスト。1962年1月1日、愛知県生まれ。中央大学文学部卒。アジアや東欧のスポーツと民族について取材、執筆活動を続けている。著書に『誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡』『悪者見参』『オシムの言葉』『争うは本意ならねど』(集英社文庫)、『オシム 終わりなき闘い』(小学館文庫)。『オシムの言葉』で2005年度ミズノ スポーツライター賞 最優秀賞受賞。

【著者紹介】
木村元彦 : ジャーナリスト。1962年愛知県生まれ。中央大学文学部卒業。アジア・東欧などの民族問題を中心に取材・執筆。『オシムの言葉』で2005年度第16回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • kawa

    「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれるバルカン半島。1990年代コソボ紛争とその後を、騒乱を縦糸、当地で盛んなサッカーを横糸にドキュメント。当時はセルビア(東方正教)悪玉論が支配、それに乗じたアメリカ中心NATOのセルビア空爆。その間隙の中で起こるコソボ・アルバニア・イスラム勢力によるセルビア人捕虜臓器密売。民族宗教の複雑なモザイク模様の中で起こる悲劇と欺瞞。サッカー界リポートがなければ読み通すのが辛かったかも知れない。複雑なバルカン理解のために最初に出会えて良かった秀逸作品。著者関連書籍も早速リクエスト。

  • 【民族愛ってのは、他民族を憎むことじゃないはずだ(P.47)】セルビア人ラジオ局長の言葉が、コソボの現状を物語る。フラットに向き合い、フランクに付き合うことを阻む壁。何処にでも、自分にも、きっとあるのだろう。その残酷な堅牢さを見せつけられる一方、リスクを越えた連帯は、小さくても確かな風穴となる。

  • Melody_Nelson

    木村氏がライフワークとしているであろう、サッカーに絡めてのユーゴ問題。日本にはなかなか伝わってこない情報が得られる。コソボやアルバニアについては、これまでの彼の著書で不穏な気配を感じてはいたが、さらに拉致したセルビア人を殺害して臓器密売をしていたとは…!ISとしてシリアにも送りこまれているのも驚いた。民族や宗教などが複雑に入り組んだ旧ユーゴだが、未だに落ち着いていないのは哀しい。そして、NATOとUSの矛盾を感じる。

  • どみとる

    数十年かけて旧ユーゴ中に張り巡らせた人脈とユーゴサッカーへの愛、中立であろうとする著者の良心が確かに感じられる。こういうルポは時に小説の何倍も読者の胸を打つ。最初はサッカーと紛争にどんな関係が?と思ったが、なるほどこれは切り離せまい。出自によって国代表へのキャリアが制限され、時に裏切り者のレッテルを貼られる。コソボ代表戦なのにサポーターはコソボ国旗ではなくアルバニア国旗を振り回す。選手を鼓舞する首相は臓器売買に手を染める...。もはやアルバニア系とセルビア系の融和は不可能に思えるコソボ社会。それでも全ての

  • お抹茶

    コソボに住む少数派のセルビア系住民の様子の取材や,コソボにおける拉致被害者がアルバニアの「黄色い家」で臓器を摘出されて密売されていたことを告発したデル・ポンテ調査を後追いする。セルビア人と仲良くするアルバニア人もいるが,民族愛を示すという同調圧力があり,仲間に受け入れられたいときはヘイトが一番効く。モンテネグロの独立と異なり,コソボの独立はアメリカの承認で一方的に行われたため,土地を奪われることになったセルビア人はアメリカにも怒りを覚える。サッカーコソボ代表を巡る監督や選手の苦悩も綴る。

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