誰のために法は生まれた

木庭顕

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784255010779
ISBN 10 : 4255010773
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
木庭顕 ,  
追加情報
:
397p;19

内容詳細

追いつめられた、たった一人を守るもの。それが法とデモクラシーの基なんだ。替えのきく人間なんて一人もいない―問題を鋭く見つめ、格闘した紀元前ギリシャ・ローマの人たち。彼らが残した古典作品を深く読み解き、すべてを貫く原理を取り出してくる。この授業で大切なことは、感じること、想像力を研ぎ澄ませること。最先端の知は、こんなにも愉快だ!中高生と語り合った5日間の記録。

目次 : 第1回 法はどちらの側にある?―『近松物語』(『近松物語』あらすじ/ 以春とおさんの結婚 ほか)/ 第2回 個人と集団を分けるもの―『自転車泥棒』(『自転車泥棒』あらすじ/ 二つの光景 ほか)/ 第3回 徒党解体のマジック―プラウトゥスの喜劇(『カシーナ』あらすじ/ 近松物語との類似 ほか)/ 第4回 見捨てられた一人のためにのみ、連帯(政治、あるいはデモクラシー)は成り立つ―ソフォクレスの悲劇(『アンティゴネー』あらすじ/ なぜ埋葬してはいけないの? ほか)/ 第5回 日本社会のリアル、でも問題は同じだ!―日本の判例(占有保持請求本訴ならびに建物収去土地明渡請求反訴事件判例の抜粋/ 事件の発端は? ほか)

【著者紹介】
木庭顕 : 1951年、東京に生まれる。1974年、東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授。専門はローマ法。著書に、三部作『政治の成立』(1997年)『デモクラシーの古典的基礎』(2003年)『法存立の歴史的基盤』(2009年、日本学士院賞受賞、以上東京大学出版会)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • keroppi さん

    「紀伊国屋じんぶん大賞2019」に選ばれて、その表彰式で、著者の木庭顕さんのご挨拶も聞いた。ちょっと難しげな話だったので、この本も取っ付きづらいかなと思って読んだ。だが、とんでもなく面白い。溝口健二「近松物語」やヴィットリオ・デ・シーカ「自転車泥棒」等を題材にしながら、中高生との論議で、法が語られていく。「近松物語」で「法」を語るなんて思ってもみなかった。中高生の感性が鋭い。素晴らしい授業だ。この若さで、「法」だけでなく、人間や社会や文化を考えられたのは、幸せなことだと思う。

  • s-kozy さん

    なんだか凄い本だ。濃いぞ。著者の木庭顕さんは東大の名誉教授で専門はローマ法なのか。その著者が桐蔭学園の生徒(約30人、中3〜高3)を相手に行った5回の講義の記録。昔の映画や古代ギリシャ・ローマの戯曲、最高裁の判例を題材にして、「法」が誰のためにあるのかを伝える。一読しただけでは十分な理解は得られず、これは再読しなくてはなぁ。この本も大学進学を控えた娘へのお勧め本だ。それにしても桐蔭学園の生徒の優秀なことよ。昔よりもさらにレベルが上がっている感じがするぞ。

  • ちゅんさん さん

    東大名誉教授の木庭先生が中高生と古典作品(映画、戯曲)や最高裁判例(⁉︎)を通して対話する特別授業の記録です。とても素晴らしかった!中高生相手の対話がメインなので読みやすいが内容はかなり難しい。しかし中高生たちはしっかりついていけている、しかも生き生きと。古典の持つ力も再確認出来た、これからも古典を読み続けていきたい。"グルになった集団を徹底的に解体し追い詰められた1人の人を守るのが法"、これは何度も読み返したい一冊。

  • trazom さん

    映画、ギリシャ悲喜劇、日本の判例を題材として、高校生との対話を通じて議論は進む。題材を読み解くことに労力を要し、なかなか本題の本質に迫れないもどかしさがあるが、正義、集団、占有、基本的人権などの社会通念と「法」との厳然とした関係は理解できた。一方で、その原理と、現実に日本で運用されている「法律」との関係などは、素人の私には消化しきれぬままである。それにしても、木庭先生だけでなく、加藤陽子先生、梅原猛先生など、各分野の泰斗が、高校生との対話を通じて物事の本質を伝えようとされる姿勢には、心から敬意を表したい。

  • おさむ さん

    中高生を相手に大学教授が専門分野をわかりやすく説く。加藤陽子さんの「それでも日本人は戦争を選んだ」は真の名著だったが、本著は、残念ながら二番煎じで、中途半端に終わっている。「二匹目のドジョウ」を狙った朝日出版社には猛省を求めたい。ローマ法の専門家である著者が映画やギリシア悲喜劇を題材にして、法律の本質を説こうとする。滑り出しは快調なのだが、次第に難解度が増していき、これはついてこれる中高生はいないでしょ笑。その心意気は買うが、見事な失敗作。この本を書評欄で褒めている新聞各紙も「同罪」である。

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